ウラガーン史記目録

作者 増黒 豊

聖女か悪女か、彼女に墜ちました

  • ★★★ Excellent!!!

重厚な歴史書にして、英雄叙事詩のようでもありました。最後まで読ませていただきましたが、ラストの終結による寂しさや虚しさとともに、少し清々しさが漂うところが、まさに歴史物語でした。

作者様の文章力や物語の構成力、物語の感動や深さ、素晴らしいところは沢山あり、それについては他の方が書いてらっしゃるので、私は一番印象的だった人物について書きます。

フィンという一人の少女は本当に色々な顔を持っています。美しい、可憐、優しい、残酷、老獪、孤独……。あらゆる形容詞が、彼女を表しているようで、掴みがたく、けれどもとても魅力的なのです。

傾国の美女、ファムファタル、魔性の女。その存在で歴史を動かしたり、人を破滅させる女性を表す言葉は山ほどありますが、そのどれを使っても足りないくらい、フィンは物語中の人々を引き付け、翻弄します。

仕舞いには、ずっと後の時代にこの物語を読んだ一女子まで、虜にしているのです。

こんな魅惑の彼女を産み出した作者様の想像力は一体どこから湧いているのか。こらから読む方は要注意かもしれません。読めば読むほど、ふとした瞬間、フィンの微笑みが頭に空かぶようになってしまうので。

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