ウラガーン史記目録

作者 増黒 豊

雨の匂いと、土埃の香り。濃厚なダーク・ファンタジー!

  • ★★★ Excellent!!!

まだまだ物語は走り始めといった印象だが、この濃厚にして芳醇な香りは、早めに皆様にも嗅ぎ取って頂きたい!

ウラガーン――それは、雨と風を司る龍の名だ。その名を冠する、王家に対する叛乱軍。彼らは、雨が好きだった。
雨が降りしきる中、彼らは自らの正義を執行する。王家に媚びへつらう人間たちを、暗殺してゆくのだ。王家には、王家の正義があろう。だが、ウラガーンたちにも、確固たる信念があった。

ウラガーンがひとり、ニル。少年ではあるが、人を殺す事に慣れきった彼は、とある任務の最中、王家の血筋にして精霊の眷族である少女、フィンと出会う。
龍と精霊が出会った時、王国の運命は、大きく動き出してゆく!

ボーイ・ミーツ・ガール的エッセンスと、中東ファンタジーにも似た濃厚な世界観。ふたつが合わさった時に産まれる、筆者ならではの独創的にして濃厚な世界に、今すぐ酔いしれよ!


2018.1.11 追記。読了に寄せて。

国。それをつくるのは、ひと。ひとを律するのは、英雄ではなく、法。
まだその概念がなき頃。ひとは、ひとの上にひとをつくったのかもしれない。
しかしながら、法治国家にはそれはなく。

無論、この後に新たな争いが起きるだろう。ひとは、愚かで、だからこそ面白い。
けれども。星屑の花の香りがそこに静かに立ち込める限り。
ひとは、何度でも――、やり直せる。

ありがとう、ウラガーン。本当に、いい物語を、ありがとう。

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