〇地点から〜補足

じゃあ、あなたはこれのどこが好きなの。

どういう曲だと受け止めているの。

まさか、ソラミミがいいわけ?

はっ、冗談じゃないわ。

幻滅!


という声が脳内で響きます。


これまでエッセイ「林檎さんのこと」においては。

イタいほどの林檎愛でもって過剰な思い入れを見せつけて。

わたくし、ウザい露出狂のようでした。

なのに、ここへ来てオチャラケのようなエントリー。

ただでさえクオリティ、だだ下がりなのに。


はい。

被害妄想ぎみ、自意識が過多な瀬夏です。





というわけで、わたしにとっての「〇地点から」をお話しいたします。

この曲の魅力は。


がんばる、けなげさ。

それを隠す、奥ゆかしさ。

さらにそれを俯瞰する客観性。

できあがった作品の骨太な完成度。

ツウには分かる、ふりかけられた茶目っ気。


まるで、経験豊かな人気シェフによる、ひと皿のようです。


わたしにとってこの曲は、ソロ復活の宣言そのもの。

ふたたび店を構えて一旗あげようと声を張った、天才料理人の決意表明なのです。

彼女はいいます。


〜なにもないくらいの、ほんとにゼロからはじめるよ〜


また、英語のヴォーカルの後ろで、彼女はこういっています。


〜裸がイヤだっていうのは、情けないよね〜


彼女は雑誌の写真で、背中の大きなキズアトをアップでくっきりと見せています。

決意なのだと思います。

お客さんの前に立つ者としての。

あるいは、ふっきりなんだと思います。

音楽で食べていく人生の。


「無罪」、「勝訴」、「加爾基」では演じていた自分を演じていた。

4枚目からは、堂々と演じるよ。

ウソ偽りなく、役割を果たすよ。


この曲を、わたしはそんなふうに聴きます。


ああ。

思い入れが激しい、あくまでイタいわたしでした。

失礼いたしました。





PS:「茶目っ気」というのは、あれです。

ニュースZEROのテーマ曲を狙ったかのような、この曲のエンディングです。

このゼロ地点からほぼ10年後の去年、「獣ゆく細道」で実現させました。


PS2:夢をかなえたとして〜

林檎さんのかつての夢はブランキージェットシティの浅井さんに会うことだった気がします。

それは、デビューして間もなく、かなってしまったのでした。


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