第62話 ハード
「気安く頼むよな…火葬場行けとか…猫埋めた場所とか…捜査ってこういうものじゃないと思うんだよな」
花田がブツブツ言いながら1人でパトカーで移動している。
とりあえず火葬場に行こうと決めたのだが、相良は途中で降りてしまった。
「俺さ、ちょっと気になることあるから…1人で行ってよ、19時にさ、あのファミレスで拾ってくれる、俺、民宿の料理飽きてきたんだよ」
「解りました…」
そんなわけで花田は火葬場に向かっている。
K市に火葬場は2か所、どちらから行こうかなとコンビニで考えることにした。
火葬場というものは、大抵人里離れた場所にあるもので、冬には行きたくないというか…運転したくないというか…パトカーが雪でハマったなどという醜態を晒したくはない。
(コンビニのお弁当って…年々小さくなってない?)
嫌過ぎて、まったく違うことを考えてしまっていた。
その頃…スーパー銭湯で羽を…というか足を伸ばしている相良。
(あの浴槽狭いんだよ…)
民宿に温泉などは無く、狭い浴槽のアットホームなお風呂場が気にいらないのだ。
スーパー銭湯が好きというわけではないが、ゆっくりと風呂に入りたかった。
(あの狭い風呂場じゃ考え事もできやしない…)
相良の気になる事…それは風呂場のことに他ならない。
サウナに入って、フルーツ牛乳を飲んでマッサージチェアでくつろぐ。
(真面目に働いちゃってるな~俺…)
不覚にも子供に引っ張られている自分に驚いている。
(面倒なことになっちゃったな~)
罪と罰について真剣に考えている相良、アイツの罪って…なんなんだろう。
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