第9話 我が心のアンジェリカ!!
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ハァ!?
「アンジェリカのフアンだと、言ったのだ」
言ったのだじゃねえよ。
なに胸張って宣ってんの、この生首
「
「いい加減にしろォォォォ!!」
我慢できずにボクは怒鳴った。
こいつストーカーだ。
変態生首猟奇甲冑ストーカーだ。
「な、なにを⋯⋯」
「何をじゃねえよ、このストーカー野郎!!」
「す、ストーカーだと。身供をストーカー呼ばわりするか!!」
「違うってのか!!」
ああ、もう、こんな変態相手に出来ない。
さっさとゼニガタの兄貴に連絡しよう。
「どこへ行く
「連絡するんだよ。ゼニガタ捜査官にあんたを引き渡す」
「そんな真似は許さん」
許すも許さんもあるか馬鹿。
「貴様には身供と決闘をする義務がある」
あるか、そんなもん。
もう会話をするのも嫌になったボクは無視をする事にした。
で、
「
ボクのジーンズからベルトを抜こうと四苦八苦してる稟に話し掛けた。
「え? だって子作りするには裸になんないと」
何を言ってんの、この子は!?
「お話終わったんでしょ。じゃあ向こうのお部屋に行こうよ」
イヤイヤ、ちょっと待って。
待って稟。
wait稟、wait!!
「でも、暁人さま。ぼく初めてだから優しくして欲しい。それにお風呂にも入ってみたい。パパが絶対に暁人さまに髪の毛を洗ってもらえって」
「桐生・ローレンス・暁人ォォォォ!!」
あっ、怒ってる、怒ってる。
「貴様!! 絶対に殺してくれる」
いや、無理だし。
フォースフィールド破れないし。
「ヌォォォォォォォォッ」
えっ。
震えてる。
ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ⋯⋯
何?
何の警報。
床から、床から警報が鳴ってる。
違う。
フォースフィールド発生装置がけたたましい警報を発してる。
え、これ気迫で破ろうとしてるの?
「ヌォォォォォォォォッ!!!」
あ、これやばいヤツだ。
「稟」
「はい」
って、服を脱ぐんじゃありません。
パリーン
と、ガラスの割れる音がしてフォースフィールドが砕け散った。
「死ねい」
「暁人さま!!」
肉を裂く音がして、稟の背中が斜めに裂けた。
♠
「そこをどけ
「
ドックン、
ドックン、
ドックン、
ドックン、
と、耳元で心臓の鼓動が聞こえた。
稟の背中から血が溢れてる。
ボクの稟の。
ボクの稟の背中から⋯⋯
「オレの稟に何しやがる、この野郎!!」
ボクの前蹴りがジークベルトの胸に炸裂し。
壁に激突したジークベルトが前のめりに倒れて、ピクリとも動かなくなった。
「大丈夫か稟」
ボクは、稟を抱きかかえた。
「平気、平気。こんなの慣れっこだから。痛たたた」
「馴れてるって」
良く見ると琥珀さま同様に、真っ赤な素肌に大小幾つもの古傷がある。
「嬉しい」
「嬉しいって、何が」
「オレの稟って言ってくれた」
そう言って痛みに耐えながら
「暁人さま危ない」
唇を離した稟が立ち上がって金棒を振り上げた。
ジャギィィィィン
と、耳障りな金属音が響き渡り、
「許さん、許さんぞ。桐生・ローレンス・暁人。身供の前でいちゃつくなど絶対に許さん。この鬼娘
鼻血を滴らせるジークベルトが、悪鬼の形相でボクを睨み
「逃げて暁人さま。この人強い」
「当然だ、幾多の異世界を渡り歩き。アンジェリカの夫を名乗る不届き者を何人血祭りに上げたと思う。貴様が如き小娘がかなうものか」
ボクは想わす抜き付けそうになり、はっと我に帰った。
「この小娘の次は貴様だ。桐生・ローレンス・暁人。アンジェリカを愛する者を一人ずつ
駄目だ。
幾ら変態で、ストーカーな、生首殺人鬼が相手だとしても刀で人を斬るなんてできない。
一瞬
これだ!!
一足飛びに駆け寄ってハンマーを手にした瞬間。
猛烈な熱波が、ボクの五体を駆け抜けた。
炎のように熱く。
太陽のように明るい。
ハンマーが
「なんだと!?」
ジークベルトが呻いた。
「オリハルコンが貴様を選んだというのかァァァァァ」
逆上したジークベルトが大上段に振りかぶり、ボクに斬りつけて来た瞬間。
ボクのハンマーがヤツの大剣を打ち砕いた。
「なにぃぃぃぃ」
「シャァァァァァァッ!!」
返す一撃がジークベルトの胸を撃った。
刹那。
ジークベルトの身体が窓に向かって吹っ飛んだ。
「開け!!」
一瞬にして窓が跳ね上がり、ジークベルトの巨大がプールに沈んだ。
「頭を冷やせ、バカ野郎!!」
ボクはハンマーをクルリと回し、腰のベルトに差し込んだ。
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