第94話(石に触れる)
占いのふりをして、接触し、特殊能力(チート)を使って相手を操っていたらしい。
そこまでは分かったが、出来れば更に条件が知りたい。
接触といってもいくつか条件があるのか、無いのかがまだわからないからだ。
「その接触は、手に直接触れた程度ですか? ほかに接触された時、変わったことはされませんでしたか?」
「普通に触れたくらいで、そこまでは」
そういわれて俺は、接触以外の条件は分からないなと思いつつ、
「なるほど。……あ、占い方法は、この世界でよくあるものですか? 俺は異世界人なのでそういったこの世界の物はよく知らなくて」
「……占いは男がやったり見たり、そういったことはあまりしませんからね。年に行った時に見かけるのも、大抵は女性の行列ですしね」
「そうですか。となると、占いに関しては女性がいいか。シーナ達は占いには詳しいのか?」
とりあえず聞いてみた。
この三人の中では、セレンが一番そういうものが好きそうに見えるがと思って聞いてみるとそこでシーナが、
「そういえば、前にロゼッタ達と一緒にどちらが沢山客を集められるか勝負をしてみたわね」
「ありましたわね、そんな事。覚えている? セレン」
「……あの時もひどい目にあいました」
セレンが何かを思い出してげっそりとした顔でつぶやく。
それを聞きながらシーナが、
「確かあの時はあの場を仕切っているボスに、無断営業を気付かれて大変なことになりそうだったので逃げたから……勝負は無しになったはず。という程度には占いに詳しいけれど」
「そうなのか。それで、さっき聞いた占いは存在するものなのか?」
「カードを使ったもの自体はそれほど珍しくはないわ。でも……」
「でも?」
そこで一度黙ってからシーナは、
「石を握らせてそれで占うというものは、私は“知らない”わ。ロゼッタは知っている?」
「いいえ。聞いたこともないし見たこともないわ。……でも完全にないとは言えない」
「そうね。実在するものであれば、そういった物が一般的な場所がその人物の出身地なり、関わっているとも考えられそう?」
そういった話を聞きながらも、もしそんなものが存在しなかったとしたならどうかを俺は考える。
「逆に、接触回数を増やしているだけかもしれないし、その石に触れさせることにも何か意味があるのかもしれない」
もう片方の可能性について、俺は言ったのだった。
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