第366話「エプロン」



「アーくん、起きて♪ もう朝だよー?」

「うーん……朝? じゃあ、お昼までは寝れるね……お休み……」

「お休みじゃないよ! もぉー!! 今日は来月の結婚式の打ち合わせがあるって言ったよねー?」

「ああ、そうだったけ……」

「ほら、アーくん。お仕事で疲れてるのは知っているけど、もうご飯できてるから早く起きてくれるかなー?」

「分かったよ……。モモ、おはよ――うおっ!?」

「おやおや? アーくんってば、そんな驚いた顔をしてどうしたのかなー?」

「いやいや……朝起きて自分の彼女がそんな恰好してたら誰だって驚くでしょ……え、てか、何でモモは『裸エプロン』なの……?」

「エヘヘー♪ ビックリしたでしょー? どう、アーくん。似合うかなー?

 ついに、あたしも来月はアーくんの『お嫁さん』になるわけだしー? エヘヘ……新婚さんの予行練習だよー♪」

「うん、予行練習は良いんだけど……新婚さん=裸エプロンの図式はなんかおかしくないかな?」

「え? でも、アーくんの本棚の中にあったやつを参考にしたんだよ? つまり、アーくんの意思のままにってことだねー♪」

「も!? も、モモモモ!!? 一体、何を言っているのかな!? お、俺の本棚の中にそそ、そんな参考になる本なんて……うん、ナイヨ?」

「アハハ! なら、そういうことにしてあげるねー♪」


(まぁ、あたしはアーくんのそういう趣味も全部受け止めてあげちゃうけどねー?)


「さぁ、アーくん。ご飯が冷めちゃうから、早く起きようよ」

「まぁ、起きるけど……モモはまさかずっとその恰好でいるわけじゃないよね?」

「えー? 何かダメかなー?」

「駄目ってわけじゃないけど……って、モモ!? そんな恰好で一回転なんてしたら――って、え……水着?」

「エヘヘ♪ アーくん、エプロンの下は裸だと思った? 残念でしたー♪ エプロンの下はビキニ姿だったのでしたー♪」 

「…………」 ムスゥ!

「え、あ、ちょ! あ、アーくん!? 何で、あたしのエプロンを引きはがすのかな!? や、ま、待って! それを取ったら本当に裸になっちゃうからね!? ごはん! ごはんが冷めちゃうから~っ!?」




「いただきます……」

「もぉ~、アーくんの所為でせっかく作った朝ごはんが冷めちゃったよー」

「ごちそうさまでした……」

「まだ一口も食べてないよねー!? アーくん! その『ごちそうさま』はどういう意味なのかなー!?」

「アハハ! モモ、冗談だよ。それよりも、モモの作るご飯は本当に美味しいよね。もう料理の腕じゃ全然かなわないよ」

「エヘヘ、そうかなー? アーくん、ありがとう♪ まぁ、これでも来月から『お嫁さん』になるわけだからね。料理も猛勉強中だよー♪」


(二人で大学を卒業してから一年、正直まだ結婚は早いかもって不安はあるけど、アーくんがお仕事を頑張っているわけだし、あたしも主婦業を頑張らないとねー♪)


「アーくん、幸せにしてね……? えへへ♪」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 チュンチュンチュン……



「夢ぇ……。そ、そうだよねー! いくらなんでも、あたしが安藤くんと結婚って……あ、ありえないもんねー?」


(え、これがあたしの初夢……?)


「っというか!『アーくん♪』って何!? 裸エプロンってどういうこと!?」


(さ、流石に……夢とはいえ、あたしも彼氏ができたくらいで、そこまで頭お花畑にならないから!!)


「うぅー、安藤くんのバーカ……」





【あとがき】


「皆、いつも応援してくれてありがとう。委員長よ♪

 久しぶりの『何故かの』の更新どうだったかしら? 新年一発目で朝倉さんと安藤くんが出て、その次に桃井さんの話ってことは……


 クフフ♪ 次の話は誰が出てくるか分かっちゃったかもね?


じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。

 皆、出す手は決まったかしら? わたしは多分、今年からしばらくは『グー』を出し続けるわ♪


 ペタペタ・ペタりん♪


   じゃん・けん・ポン♪」 


























【チョキ】


「クフフ……『多分』って言ったでしょう?

 皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る