第279話「女子力マスター」


「それで、モモ。その女子力マスターっていうのはどうやって決めるのかしら?」

「そうだねー。まずは皆に、あたしがネットで見つけたこの『女子力テスト』を受けてもらおうと思うんだけど……試しにサクラやってみてくれるかなー?」

「ええ、良いわ! モモ、どんな質問でもドンと来いなんだから!」


(((((なんか、返事がすでに女子力低いのは気のせいかな……)))))


「とりあえず、わたし達も桃井さんと同じサイトを開いてやってみればいいのかしら?」

「そ、そうだね。委員長さん!」

「姉ヶ崎さん、サイトのURLどれ~?」

「ちょっま~、今送るから~」

「じゃあ、まずは第一問!『髪型やファッションの変化にはすぐ気づく?』」

「もちろんよ!」


「ふ、藤林さん。もしかして、少し髪切ったかしら……?」

「え……あ、うん! えっと、えっと……委員長さんも髪切ったかな? かな?」

「え、ええ……実は少しだけね……クフフ♪」


((本当は髪切ってないけど……))


「『得意料理は五つ以上ある?』」

「むろんよ!」


「朝倉さんって料理できるのね……」

「そういえば、生徒会で安藤くんが手料理を作ってもらったって嬉しそうに言ってたよ」

「因みに、藤林さんは……?」

「えっと、えっと……まぁ、まぁ……かな? い、委員長さんはどうなのかな!?」

「へ!? わ、わたしも……そう、まぁまぁかしらね……?」


((お、お湯を注いだり、電子レンジを使えば……))


「…………」


(確か、サクラお義姉ちゃんの得意料理って――


『家系ラーメン』

『スープカレー』

『チーズinハンバーグ』

『豚汁』

『牛丼』


 だったような……。お兄ちゃんが好きな食べ物を練習したせいで、変に凝ったメニューばっかり習得しちゃって……果たして、このラインナップは女子力が高いって言えるのかにゃ……?)


「次『ハンカチやティシュは常備している?』」

「ええ、当然ね! ほら、今日も持ち歩いているわ!」


「藤林さんは持っているかしら?」

「ふぇ!? えっと、えっと……きょ、今日はたまたま忘れちゃったみたい……かな? い、委員長さんはもっているのかな!?」

「わ、わたしも……今日は『たまたま』忘れちゃったわね……」


((本当はいつも持ってないけど……))


「…………」


(朝倉センパイの持っているティシュって……この前、安藤センパイが……

『いや~、駅前でティシュをめちゃくちゃ配ってたから全部もらっちゃったんだけど……ティシュいる?』

 ――って、アタシと朝倉センパイに配ってたやつじゃないんですかねぇ~キャピ?


「じゃあ、まだまだ問題はあるからね~?」




「ふぅ、これで一応全問終了だねー♪ サクラの診断結果は……

『【女子力の化身】女子力がありすぎて、逆に近づきにくいかも?』

 だってー!」

「ムフフン! どうかしら? これが私の実力よ!」 スカーン!


(((((でも、やっぱり返事は女子力低い気がするな……)))))


「アハハ、流石はサクラだねー♪」


(うーん、思ったよりサクラの診断結果が良いねー。やっぱり、サクラも『学校一の美少女』って言われるだけあって、基本の女子力は完璧なんだよね。

 むしろ、サクラの女子力が低くなるのは……)


「ちょっと、サクラに追加の質問をしてもいいかなー?」

「ええ、もちろんよ!」

「えーと『あなたは友達と12時に遊ぶ待ち合わせをしました。さて、何時に待ち合わせ場所に付きますか?』」

「そうね……。待ち合わせの十五分くらい前かしら?」


(うんうん、特に問題はないね。なら――)


「じゃあ、その相手が『安藤くん』だったらどうかなー?」

「そうね……。待ち合わせの前日には安藤くんが私の家に泊まるかしら?」


(なるほど……サクラの女子力は安藤くんが絡むと急激に落ちるんだね……)


「あ、私もサクラお義姉ちゃんと同じ【女子力の化身】でした!」

「アタシも朝倉センパイと同じ結果ですね~、てかこの診断内容余裕すぎませんかぁ~キャピ?

「ふ、藤林さんは診断結果……ど、どうだったかしら?」

「えっと、えっと……【普通の女子力】だった……かな? い、委員長さんはどうだったのかな? かな!?」

「わ、わたしも……残念だけど、藤林さんと同じ結果だったわ」

「あはは……委員長さん、私と同じで残念ってどういう意味かな?」

「クフフ♪ 特に深い意味はないわよ?」


((診断結果……

『【女子力ほぼなし】女子を否定している』

 って、どういうこと!?))


(おやおや~? 委員長と藤林さんのあの反応は……)


「へぇ……、委員長と藤林さんも『女子力』ちゃんとあったんだねー?」


((……ッ!?)) ギクゥッ!


「え、えぇ……」

「と、当然じゃないのかな……? かな?」

「アハハ、そうだよねー♪ だって……この程度の女子力すら、持ってないで許されるのは『小学生』までだもんねー?」


((しょ、小学生まで……ッ!?)) メロォーーンッ!?


「そ、そういう桃井さんの女子力はどうなのかしら……?」

「そ、そうだよ! 桃井さんだって女子力テストやってみるべきじゃないのかな? かな!?」

「あたし? 別にいいけど……ほいほいの~ほい! これがアタシの結果だねー♪」


((どれどれ――って!?))


「「じょ『【女子力マスター】女子力53万レベル』……」」

「じゃあ~、あたしが女子力一位ってことでいいのかなー♪」

「まぁ、確かにこの中から選ぶなら……桃井先輩かサクラお義姉ちゃんのどちらかですけど……」


(サクラお義姉ちゃんのは女子力って言っていいのか微妙だし……)


「でもぉ~? 朝倉センパイは『学校一の美少女』なんて言われているのに、モモセンパイに『女子力一位』の座を奪われちゃっていいんですかぁ~? なんてキャピ!

「ッ!?」


(ちょっと、姉ヶ崎さん! 何サクラお義姉ちゃんをあおるようなこというの!) ← アイコンタクト


(えぇ~? でも、安藤さんだってちょっと気になるんじゃないの~? なんてキャピ!) ← アイコンタクト


「うぬぬぬ……っ!」

「ニヘヘ~キャピ!


(そ、それは~た、確かに気になるかも……)


「ぽえ……私? そうね~、正直いうと私は『女子力』とか『学校一の美少女』なんて肩書はどうでもいいのよね」


「「「え?」」」



「確かに、昔は『学校一の美少女』なんて呼ばれて誇りに思ったりもしたわよ。

 でも、今の私には『安藤くん』がいる。だから――、

 安藤くんが『好き』って言ってくれる『私』でさえあれば、

 他の称号なんていらないわ♪」



「「「なんか、そのセリフが女子力高い……」」」


(((流石は『学校一の美少女』……)))




「ふ、藤林さんの女子力も中々のものね? クフフ……」

「い、委員長さんも……中々じゃないのかな? かな?」


「「アハ、アハハハ……」」 ← 醜い争い






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 今回はわたしの女子力がどれだけ高いかを見せたかったのだけど……

 またの機会ね♪ 


 それと、何故かの2巻の発売まであと2週間になったわね。前にも言ったけど、来週からは2巻の発売まで毎日更新する予定だから宜しくね♪


 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「モニタリング」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 パーかな?



    パーかも?



パーじゃない?




         パーだったりして……

















 本当はグーを出してくるかもしれないわよ……?


















【グー!】


「皆のコメント、評価、待ってるわね♪」

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