第261話「サンキューペッタン子!」
「まぁ、センパイのおかげで三人の参加者は確保できたわけですけどぉ……次は一体、誰をだまくらかしに行くんですかぁ~
「言い方ァ!?」
(いや、確かにそうだけどさぁ……。もう少し、言い方があるんじゃないですかねぇ……)
「姉ヶ崎、そういえばなんだけど……」
「ハイ? 何ですか、センパイ?」
「お前この後は姉ちゃんと会う予定があるんだよな……?」 ニヤリ
「あ、ハイ……。次の標的が分かりました……」
(お姉ちゃん……ドンマイ
カランコロ~ン♪
「いらっしゃいませー」
(ワタシ……バイト……アイガホシイ……)
「――って、わけで……姉ヶ崎先輩、ユー、ミスコンに出ちゃいなYO
「お・こ・と・わ・り・ですわ!」
「なんでだよ!? 俺がこんなにも頭を下げてお願いしているんだから、ミスコンくらい出てくれてもいいだろ!」
「貴方のどこが頭を下げていると言えますの!? むしろ、さっきから仁王立ちじゃないですか!」
「心で頭を下げているんだよ!」
「人はそれを『下心』というのですわ!」
「あんだとぉおお!?」
「なんですのぉお!?」
((ぐぬぬぅう……っ!!))
「ストォーーップ! ストップ、ストップ! もぉ~、二人とも少し落ち着いて! てか、何!? なんで二人ってこんなに仲が悪いのぉーっ! お姉ちゃんとセンパイって接点そんなにないよね!?」
「「そ、それは……」」
((実は『妹の監視と報告を条件に、生徒会のアドバイスをする』という契約をしているなんて言えない……よし、ここはコイツと話を合わせて誤魔化そう!))
(安藤くん、いいですわね?) ← アイコンタクトです
(おうよ! 任せろ、ペッタンコ!) ← アイコンタクトです
「ハッハッハッ! 姉ヶ崎よ。お前は何を言っているんだい? 俺はお前の姉ちゃんは仲なんて悪くないぞ?」
「オホホホ! そうでわよ。わたくし、安藤くんとはとっても仲良しですわ!」
「ふぅ~ん?」
(それはそれで、なんかムカつくんですけどぉ~?) イライラ……
(や、ヤバいぞ。ペッタンコ! お前の妹が疑っているぞ!) ← アイコンタクトです
(こうなったら、もっと仲良しアピールをするしかないですわね……って、ちょっと待ちなさい! 安藤くん、貴方……これがアイコンタクトだからって何でわたくしを呼ぶ時に胸をガン見するんですの!? なんかその視線不快ですわ!) ← アイコンタクトです
(気のせいだ! 気にするなペッタンコ!) ← だから、アイコンタクトですってば!
(絶対に気のせいではないですわよね!?) ← アイコンタクトって、言ったらアイコンタクトですぅーっ!
「おいおい……姉ヶ崎よ? まさか、俺と先輩との仲を疑っているんじゃないだろうな? だとしたら、それは勘違いだぜ? な! 姉ヶ崎先輩? ほら! その証拠に俺が肩を組んでもお前の姉ちゃんは文句一つすら言わないぞ?」
「もちろんですわ! ホラ? わたくし、安藤くんとならお互いに肩を組んだまま空いた方の手で固い握手すら交わせてしまいますわ♪」
「「アハハハ……」」
((こ、これで……誤魔化せた……?))
「ふぅ~ん、そうですかぁ……。わかりました! センパイがお姉ちゃんと浮気してますよ
((しまったぁあああああああああああああ!? 仲良くしすぎた
「放せ、このペッタンコ! いつまで肩を組んでやがる! 虚構のパッドが重いんだよ!」
「それはこっちのセリフですわ! あなたの方こそ、いつまでその薄汚い手でわたくしの手を握っていますの! ぼっちが感染いたしますわ!」
「「あぁあん!?」」
((今コイツ何て言った!?))
「ストォーーップ! ストップ、ストップ! もぉ~、お姉ちゃんとセンパイが仲が悪くもなく、良くもないのはもう十分に分かったから! だから……二人とも落ち着こう……ね?」
「「まぁ、そういうなら……」」
(もぉーっ! 何なのこの二人の関係はーーっ! アタシ、決めた! もう、この二人はなるべく合わせない! 最悪でもこの二人と一緒の状況になるのはやめよう……)
「それで、お姉ちゃん。アタシからもミスコンの出場……おねがいできないかな?」
「うぐっ……まさか、あなたまでそのお願いですの……?」
(だから、わたくしと妹の神聖な待ち合わせ場所のカフェに安藤くんなんて邪魔者がいるんですわね……)
「そもそも、お姉ちゃんは何でそんなミスコンの参加を嫌がるの……?」
「だ、だって……ミスコンですわよ? 今の時期、三年生は受験に集中して学校活動は自粛しているのに、わたくしだけこんなイベントに参加などしたら……まるで、わたくしが遊んでいるように思われますわ!」
(それに、去年のミスコンでは一年生だった朝倉さんが優勝したことで、上級生が下級生に負けるのは恥ずかしいという風潮もありますし……その中で今年もわたくしが参加して、一年生や二年生に負けるようなことになれば、確実に三年生の恥さらしと言わるに決まっていますわ!)
(やっぱり、お姉ちゃんは説得できないかぁ……。お姉ちゃんってプライドが高いからこういうイベントは自分が絶対に勝てる状況でしか出ない性格なんだよねぇ~。
できれば、センパイにはお姉ちゃんに自信をつけさせるような言葉を言ってほしいけど……あの仲の悪さなら期待はできないかなぁ……?)
「センパイからも何か言ってあげてくださいよぉ~
「そうだな……。姉ヶ崎先輩ってさ、例え内面がダークサイドに堕ちてても外面は良い方だと思うんだよね? まぁ、確かに……朝倉さんと比べちゃったら胸も優しさも俺の彼女の方が一枚も二枚も上手だとは思うんだけどね」
「誰が内面はダークサイドですって! 貴方はケンカを売っているんですの!?」
「センパイ~っ!」
(もう、センパイに少しでも期待したアタシが馬鹿でしたよぉーっ!)
(まったく……なんてデリカシーのかけた男ですの! 少しでも、気の利いたことを言うかと期待したわたくしが馬鹿でしたわ!)
「でも……だからこそ、俺は姉ヶ崎先輩ならミスコンに出たって笑われることはないと思うけど……?」
「それは……どういう意味ですの?」
(フン! 今更、何を言われたってわたくしはミスコンなんかには絶対に出ませんわよ!)
「別に、深い意味はねぇよ……。ただ、姉ヶ崎先輩はそのダークサイドにまみれた内面(あとついでに絶壁の胸)を隠しながら、一年間も生徒会長としての外面を保ってきたわけだろ? だったら、今更ミスコンに出たくらいで笑うような奴なんかいないだろ……?」
「だ、ダークサイドは余計ですわ!」
「センパイ……」
(なんだかんだ言って、アタシのお姉ちゃんのことも認めてくれているんですね……
「それに、姉ヶ崎先輩だって……俺と同じ妹を持つものなら、そのお得意の
「ハッ……ですわ!」
(妹にカッコいいところ……是非、見せたいですわ! 優勝して『わーい! お姉ちゃん大好きしゅきしゅき~
「ぐへへぇ~、ですわ……」
「お姉ちゃ~ん……」
(うわぁ~、お姉ちゃんが何を考えているか大体分かるなぁ……。でも、ミスコンの参加者を集めるためには――仕方ないよねぇ~
「アタシ、お姉ちゃんがミスコンで優勝するところ……見たいなぁ~
「是非、参加させていただきますわ!」
「サンキューペッタン子♪」
「そのあだ名は何ですの!? ブチ殺しますわよ!」
因みに、翌日……
「安藤くん、どういうことですの! わたくし、ミスコンに
(これじゃあ、わたくしが出ても
「安藤くん! 貴方、まさか……このわたくしを謀りましたわね!?」
「あれ、そうだったけ……? メンゴ、ペッタン子
ブチッ!
「コォオオオオオロォオオオオオオオオオスゥゥウウウウウウウ!」
【次回予告】
「……そろそろ、生徒会長改め、詐欺師を名乗るべきだと思うのよね。
皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
今年最後の『
今年は『何故かの』が書籍化されて、わたしの可愛いイラストが見れて最高の年だったわね♪
これも、皆のおかげよ。ありがとうね♪
来年は『何故かの』の二巻も発売されるから、引き続き応援してくれると嬉しいわ。それと、今年の更新はこれで最後だけど、新年が明けたら近況ノートで作者の出井愛の挨拶も更新予定だから見てくれたらうれしいわね。
挨拶だけだと寂しいから『何故かの』のおまけSSも近況ノートの挨拶の後につける予定だから、是非見てね♪
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「五人目の名前」 よろしくお願いします!
「五人目の被害者は誰なのかしらね……。
じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
チョキかな?
チョキかも?
チョキじゃない?
チョキだったりして……
今年最後のじゃんけん……勝てたら縁起が良いかもしれないわね?
【チョキ!】
「皆のコメント、評価、待ってるわね♪
良いお年を~、クフフ♪」
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