第214話「ゴチにさせます」



「うん、分かってたよ……お兄ちゃんが『デート』って言ったのは軽い冗談だってね? 実際は何か用事があるから、一緒に出かけて欲しいってくらい分かってたよ?」

「……お、おう。そうか? 何か期待させたみたいで悪いな……」

「ふにゃ!? っべ、別に……何も期待なんかしてないんだから! お兄ちゃんてば、何を言ってるのかな!?」


(ほ、本当に期待なんかこれっぽちもしてないもん! だって、お兄ちゃんにはサクラお義姉ちゃんって身の丈に合わない美人な彼女がいるわけだし……? だから、デートって言ってもどうせ、サクラお義姉ちゃんとのデートの下見とか、またはサクラお義姉ちゃんとのデートについてきて欲しいとか? そんなことだろうと思ってたもん!)


「ただ……」

「……何だよ?」


(妹の奴ってば何でこんなに不機嫌なんだ? 別に昨日のうちに……

『まぁ、デートってのは冗談で……実は明日、俺に付き合って欲しいんだ』

 ――って、ちゃんと説明したはずなんだけどな?)


「私が言いたいのはね……? お兄ちゃん! 何でこの女がここにいるの!?」


「センパーイ♪ おはようゴジャイまぁ~すキャピ!


「――ってことだよ!?」

「何でって……俺が呼んだからだけど?」


(ああ……そういえば、妹の奴って姉ヶ崎妹と仲が悪いんだっけ? だから、機嫌が悪かったのか?)


「キャハハ! 何~? アンタ、もしかして……センパイと二人っきりって勘違いしてたのぉ~? ププ! それって、超ブラコンじゃ~ん? マジでウケるんですけどぉ~キャピ!

「はぁああああああ!? アンタ、何言ってるの!? ばば、バッカじゃない!

 わ、私はね……? 何でせっかくの日曜日にアンタなんかと会わなきゃいけないのかって、怒っているのよ!」

「そもそもぉ~? 私だって、センパイからアンタも一緒だとか聞いてないし~?」


(でも、これはこれで面白そう……みたいなぁ~キャピ!


(ただでさえ、最近はお兄ちゃんの生徒会の手伝いで一緒になることが多いのに……何で、せっかくの兄妹水入らずにアンタがいるのよ!)


(しかし、こいつらいつまでたっても仲良くならねぇなぁ……俺としては一緒に生徒会で活動していれば仲良くなって、ついでに俺の仕事も減り一石二鳥と思ってたんだけど……なんでここまで仲が悪いんだろう……?)


「お兄ちゃん、これは一体どういうことなの!」

「センパーイ? どういうことなんですかぁ~?」

「…………」


(え、何? この、俺が二股でもしたって空気は……? ただ、俺は二人に用事があるから同じ場所に二人を呼んだわけで――)


「……と、とりあえず――そこの喫茶店で休憩でもしない?」



 カラン♪ スカァ~ン♪


「いらっしゃいませー♪ 何名様でしょ――」

「あ、三名です」

「もう! 当然ここはお兄ちゃんのおごりなんだからね!」

「センパーイ♪ ゴチになりまぁ~すキャピ!

「――ぅ……さ、三名様ですねー? こちらへどうぞー」


(……コイツ、また別の女を連れてきやがった!?)


「はぁあ!? 何でアンタのもお兄ちゃんが奢るのよ! アンタなんか自腹に決まってるでしょ!」

「ちょっと、意味不明なんですけどぉ~? むしろぉ~? 高校生にもなって『お兄ちゃん♪ 奢ってぇ~キャピ!』とか、言っている方が恥かしいみたいなぁ~?」

「んにゃぁああああ!? だだ、誰もそんないい方してないでしょ! アンタ何言ってるの!? 本当にバカでしょ!」

「あぁああ! お前ら、少し静かにしろ! ここ、お店の中だからね? ほら……あそこの店員さんとかメッチャ睨んでるよ……?」


「じぃー……」


(痴話喧嘩か……いいぞ、燃えろ燃えろ~!)


「うぅ……だって、この女が……ぶぅうーっ!」

「センパーイ、ゴメンなさーい♪ てへぺろキャピ!

「はぁ……分かった分かった。ここは二人とも俺が奢るから……それでいいだろ?」


(今月そんなに余裕ないけど……まぁ、お茶代くらいなら――)


「すみませーん! ジューシーカツサンドとオレンジジュースのセットくださーい!」

「じゃあ、アタシは……フレッシュレモネードとティラミスをおねがいしまぁ~す♪」

「ちょ! 俺が奢るって言ったのはドリンク代だけで――」


(しかも、どっちの注文もセットで千円くらいするし!?)


「お兄ちゃん♪」

「センパーイ♪」


「「ゴチにさせまーすキャピ!」」


「う、うん……もう好きにしてくれ」


(こいつら、本当は仲いいんじゃないの……?)






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 最近、次回予告が嘘予告ばっかりな気がするのよね……そろそろ、作者はプロットを作るというのを覚えるべきじゃないの?

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回 「妹ちゃん vs 後輩ちゃん en film」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 















































【グー】


「皆のコメント、評価、待ってるわ♪」



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