第201話「お客様はカップルです」



「ありがとうございましたー」


(やっと、日曜のピーク終わった……やっぱ日曜日のバイトはキツイよ。でも、今月ガチャにまた五万も課金しちゃったしなぁ~。うぅ……星5が! これも全て星5の『メガネをクイッてする、スク水ネコ耳戦士のイケメン』が出ないのが悪いのよ!)


 カランカラン~♪


(あ、お客さんだ! よし、もうピークは過ぎたんだし、残りの時間もガチャの為に頑張るぞ~♪)


「いらっしゃいま――」


「安藤くん。少し遅くなっちゃったけど、お昼はここで良いかしら?」

「朝倉さん、そうだね。でも、本屋さん見てたらすっかりお昼の時間過ぎちゃったね……」


「せぅぇ……」


(また、お前らか――――い! まったく、アンタ達なんなのよ!? 何で毎回、私がバイトしている時に決まってデートしに来るのよ? 男の方も少しは別の店に彼女連れてって上げなさいよ!)


「朝倉さんは注文何にする?」

「私はケーキとパスタのAセットにしようかした?」

「じゃあ、俺はパスタのDセットでお願いします」

「はーい、かしこまりました……」

「朝倉さん、デートの時いつも同じお店でゴメンね」

「安藤くん、そんなこと気にしなくて良いわよ。だって、私このお店好きだもの♪」

「本当! 良かった。実は俺もこのお店気に入っちゃったんだよね」


(本当は、デートに使える店をここ以外知らないだけなんだけど……)


(やっぱり、私達最高のカップルね!)


「あはは……」

「ウフフ~♪」

「では、ごゆっくりどうぞ……」


(爆発しろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお! でも、いつもご利用ありがとうございますね! カァ――ッペ!)


「安藤くん、このお店に来ると、初めて二人できた日のこと思い出しちゃうわね♪」


(私と安藤くん、始めてのデートの日のことを……)


(……? 思い出すって何だ? あ、もしかしてパスタの味かな。朝倉さん、ここのパスタ気に入ってたからなぁ~)


「うん、そうだね。朝倉さん、俺も(ここのパスタ)大好きだよ」

「うにょ! あ、安藤くんったら……もう、こんな所で何言ってるのよ! うぅ……そ、そのぉ~、私も大好き……なんちゃって、うっヘヘぇ~♪」 ← これでも美少女です

「……?」


(朝倉さんは、何で突然にやけ出したのだろう……? まぁ、いつものことだし、放って置けばそのうちいつもの美少女に戻るだろう)


(もぉおおおおおおおう! 安藤くんったら、こんなところで突然の『愛の言葉』なんて……一体何処のスケコマシラノベ主人公よ! ウキャァ――――ッ! それは確かに、私は日常的に愛を囁きたくなるくらいのナイスバディーな完全無欠の美少女よ? でも、愛を囁くにも場所を選ばないとねぇー? ウフフ~♪ だって、こんな私達のラブラブなシーンを見せ付けたら周りの人に迷惑じゃ――)


 ガッシャ――ン! ← 料理をテーブルに置く音


「お待たせしましたぁ~♪ ご注文のパスタのAセットとDセットでーす! では、ごゆっくりどうぞぉ~♪」 ゴォゴォゴォ……ッ! ← ラブラブなシーンを見せ付けられた人のオーラ


(テメェらいつまでもイチャついてんじゃねーぞ! こっちとはまだ一人身なんじゃい! 何見せ付けてくれとんのじゃボケきゃぁ――ッ!)


「「……あ、ハイ」」


(何故かしら……店員さんにもの凄い失礼な態度を取られた気がするのだけど……あの店員さんの『悲しみ』と『憎しみ』の入り混じった泣き顔を見たら、何も言えなかったわ……)


(あの店員さん、メッチャ怖い顔してたけど……トイレでも我慢してたのかな?)



「バイトちゃーん? あの、そのぉ~、スマイル、スマイル~♪」

「何ですか店長! スマイルならちゃんと……してるじゃないですかぁー♪」 ゴォゴォゴォ……ッ! ← スマイルです

「あ……それ、スマイルだったのかぁ~うん、ゴメンね?」

「うぅ~! 私の気持ちなんて既婚者の店長には分かりませんよ! 月に三百時間の残業して、十歳下の奥さんと離婚しろ!」

「ちょっと、それ流石に酷くないかな!?」

「うるせぇ、このロリコン店長! 同情するなら、時給上げろ!」


(あぁ~もう、私ったら店長に当たるなんてダメダメだな……今は仕事中なんだから、バカップルなんかに惑わされずに仕事しなきゃ!)


 カランカラン~♪


(あ、お客さんだ! さっきの事は水に流して……よし、切り替えて残りの時間もアルバイト頑張るぞ~♪)


「いらっしゃいま――」


「ハッハッハ! 早坂、ここが庶民に人気なコーヒーとパスタの店かなキラーン!

「はい、坊ちゃま。因みに、デート時のランチとしても有名な場でございます……」


「せぅぇえ~……」


(って……また、カップルかぁぁああああああああああああああーーいっっ!!)






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回 「メイドとご主人様」 よろしくお願いします!


「ネタバレ、朝倉さんがポンコツになるわ♪ じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 















































【グー】


「次回予告のタイトルは嘘予告になる場合もあるわよ♪」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る