第169話「何故かの(大学生編)」
ホプテピッピーーク! ← ニワトリの声
「…………朝か」
「むにゃむにゃ……安藤くん、まだ食べたりないわよぉ~」
「朝倉さん、一体どんな夢見てるんだよ……」
(朝倉さんはまだ寝てるか。よし、起こさないようにそっと布団から出よう……)
「今はまだ七時だから、先に風呂入るか……」
(とりあえず、風呂に入ってそれから朝ごはんの準備をしよう!
てか、大学生になったら何故か朝倉さんと同棲することになっちゃってたけど……その時に、朝ごはんの当番は先に起きた人が作るってルールは失敗だったよなぁ……だって、今のところ日曜日以外は全部、朝倉さんが朝ごはん作ってるもん……)
「せめてもの救いは大学が休みの日曜日だけは、朝倉さんよりも先に俺の方が起きれるところか……だって、日曜はニチアサがあるもんね!」
(まずは、風呂だな)
シャァア~~ ← 安藤くんの入浴シーン(見せられないよ!)
「ふぅ、スッキリした……よし、朝ごはん作る前に軽くいつもの筋トレもしちゃうか。
まずはスクワット二十回にクランチを二十回だ。それ以上は汗かいちゃうからな」
(しかし、まさかこの俺が大学生になって筋トレにハマるとは……高校の時は思いもしなかったぜ)
「十二、十三、十四、十五、十六……十七、あと三回!」
(まぁ、その理由も? 朝倉さんとの同棲で、毎日あの完璧美少女のプロポーションを見た後に鏡で自分の体型を見ると、強烈に死にたくなるから……という理由なんだけど)
「十九、二十! よし、終り!」
(しかし、きっかけは何であれ筋トレするようになってから意外と体が引き締まったよな。もう、これあと一ヶ月もすれば腹筋割れるんじゃね? 最初は不純な動機でやってたけど、最近では何だか筋トレも楽しくなってきたぞ)
「っと、いけない……もう、こんな時間じゃん。ハイパームテキ・ヒーロータイムが始まる前に朝ごはん作らないと!」
【安藤くんの簡単ヘルシー朝食クッキング!】
「はい! では、今日は男子でもお手軽簡単に作れて健康でヘルシーな朝食を作りたいと思います!」
【本日の献立は?】
「はい! 皆さん、朝はごはん派ですか? パン派ですか? 俺は断然ごはん派ですね。何故ならパンはカロリーが高いので、ダイエットなどにはバランスの取れた和食。つまり、ごはんが適切だからです。
あ! ご飯といえば先日は『ノーライス・ノーライフ』の最新78巻の発売日でしたね。っということで……さぁ、
【本日の朝食メニュー】
・白米(150g)
・味噌汁
・冷奴
・納豆
・サラダチキンの和風ごまサラダ
「はい、ポイントは炭水化物であるご飯を少なめにして、その分納豆や冷奴などの副菜を多めにする事ですね。因みに、サラダがあって和食じゃないというツッコミは受けません。だって、サラダってレタスちぎってドレッシングかけてチキン割いて混ぜるだけで簡単なんだもん!」
(因みに、どれも手間がかからずに用意できるからマジで楽チン! それに大豆製品はダイエットに効果的だし、鶏肉は筋肉をつけるには相性バッチリだって、ラノベで書いてたったしな!)
「しかし、美少女との同居生活って、こんなにも自分の体型を気にするものだっけ?
もしかして、ラノベの主人公達も影ではヒロイン達に負けないように体型維持で筋トレしてたのかなぁ……」
(準備も出来たし、そろそろ朝倉さんを起こすか)
「朝倉さん、朝だよ」
「うーん……zzZZ」 スカァ~
(起きねぇ……てか、寝てると朝倉さんって本当に美人だよな。高校卒業してから、朝倉さんの美少女力もさらにパワーアップした気が――)
「ムニャムニャ……なんでよぉ~私にも『おっぱいチート』よこしなさいよぉ……お金なら! グレムリンを倒したお金がいっぱいあるの――……zzZZ」 ← 寝言
「…………」
(まぁ……その分、朝倉さんの残念さも凄まじくパワーアップしたんだけど……)
「でも、朝倉さんが残念なのはそれだけ俺に心を許してくれている証だ」
(気持ちよく寝ているところ悪いけど、ご飯が冷めちゃうから起きてもらうか。とりあえず、台所に向かって……)
ジャァアアーーバシャバシャ! ← 安藤くんが水道を使う音
「朝倉さーん? 朝だよー? 起きないとこの水道でキンキンに冷やした両手を布団の中にダイブさせるよぉ~?」
「何言っているのよぉ……だって、私はDカップに成長したんだからぁ……zzZZ」 ← 寝言
「夢じゃなくて、現実を見なさい!」
ピタ!
「――ッ!?!? ひぁぁゃんっ!?」
(きゃぁああああああ!? 何、何!? 何か凄い冷たいのが――)
ガバッ!
「――って、キャァアア! 私の『おっぱい』が無い!? う、嘘……はっ! もしかして、これは夢ね!」
「現実だよ……朝倉さん、おはよう。冷えた手の感触はいかがでしたか?」
「うぇ? あぁ~……なんだ、安藤くんだったの……」
「だって、朝倉さんが起きないんだもん」
「もう、起こしてくれるのはいいけど、変なところ触らないでよね……」
(もう、朝からなんて……安藤くんはとんだ狼さんね♪)
「……?」
(変なところって何処触ったんだ? 適当に手を布団に突っ込んだだけだからな……なんか、朝倉さんクネクネしているし、眠気覚ましにもう一発、わき腹でも触っておくか)
ピタ!
「――ッ!?!? ぴきゃぁああ――ッ!?」
(この後、我が食卓にグレムリンが現れたのは言うまでもない)
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回 「何故かの(大学生編)②」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めたわ。行くわよ! 今回も同じ【チョキ】かもしれないわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【チョキ】
「ね、同じだったでしょ? フフ♪」
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