第165話「夢」
~ピンポンパンポーン~
【注意事項】
本日の更新は久しぶりにメインヒロインの登場になります。
しかし、メインヒロインの出番が久しぶりすぎた為、メインヒロインが多少暴走する描写がありますが、物語とメインヒロインの完璧美少女さに問題はございません。
ですので、安心してご覧ください。
~ピンポンパンポーン~
「安藤くん、体調大丈夫かしら」
(なんとか、生徒会の用事と引継ぎを終らせて安藤くんの家まで来たのはいいけど、もうこんな時間だし迷惑だったらどうしましょう……)
スカチャ! ← 玄関のドアが開く音
「あれ、サクラお義姉ちゃん!? 何でウチの前で突っ立ってるんですか?」
「ひゃ!? い、妹ちゃん! こ、これは違うの……ちょうど今ここに着いただけで! べ、別に、来るのが遅くなって迷惑じゃないかしら? って十分ほど悩んでいたわけじゃないんだからね!?」
「あはは……」
(あぁ~なるほど、サクラお義姉ちゃんってばお兄ちゃんが心配でお見舞いに来たはいいけど、時間が遅いから迷惑になると思って十分もウチの前で立ち止まって悩んでいたんだね……)
「そ、それより、妹ちゃんはこれから出かけるのかしら?」
「はい、これから夕食の準備をしようと思ったんですけど材料が足りないので買い物に出ようと――」
(そうだ! にゃふふ……)
「――思ってたんですけど、お兄ちゃんの体調が心配で……あ、そうだ! サクラお義姉ちゃん、私が買い物から帰るまでお兄ちゃんの看病お願いします♪」
「え!? でも、こんな時間だし……」
「すぐに戻りますから! じゃ、お願いしますね~」
「えぇええええ! い、妹ちゃんそんな急いで行かなく――ても……」
スカーン……
安藤くんの部屋
「…………」
(って、言うわけで安藤くんのお見舞いに来たわけだけど――)
「うーん、ムニャムニャ……zzZZ~~」 スカー スカー ← 爆睡中
「…………」
(安藤くん、寝てるじゃないのよ!)
「zzZZ~~」 スカー スカー
「でも、これって考えようによってはチャンスなんじゃないかしら?」
(だって、安藤くんの部屋・イン・睡眠中の安藤くんよ? これって、結構レアな状況よね。私の部屋でどっちかが寝ることはあっても、安藤くんの部屋ってあまり来ないし……来ても安藤くんが寝てるなんて状況は早々無いわ。
つまり、今の私は何をしてもバレない!? っと言うことは寝てる安藤くんにあんなことやこんな事も――)
「いやいや、そんな淑女である完璧美少女の私がそんなふしだらな事をするわけないでしょう……で、でも、ちょっと、安藤くんの本棚のラインナップを見たりとか、安藤くんの寝顔をスマホのカメラで取るくらいなら?」
(それくらいなら別に――)
「うーん、ムニャムニャ……」
「みぎゃあああ!?」
「zzZZ~~」 スカー スカー
「ね、寝てるわよね……?」
(起きたのかと思ってビックリしたわ……でも、元々は安藤くんのお見舞いで来たんだから勝手に何かしたら失礼よね。そうよ。安藤くんは風邪で寝ているんだから――ん、あそこにかかっているのは……)
「あ、安藤くんの制服!?」
(安藤くんの制服が部屋の端っこに吊るしてあるわ! そういえば、安藤くんって朝は弱いから、制服を起きてすぐに着替えれる場所にかけてるって聞いたような覚えがあるわね……)
「安藤くんの制服って、安藤くんの匂いがするのかしら……」
(だ、ダメよ! 何を考えているの私!? 確かに、ここ最近は安藤くんが休んでいる所為で、禁断症状がでるくらい安藤くんニウムが不足しているけど……でも、だからって! 彼氏が寝ている隙にその制服の匂いを吸ってそこに残っている安藤くんから放出される安藤くんの成分を含んだ安藤くんのフェロモンが詰まった安藤くんニウムを補給して、この安藤くん不足により一日八時間は安藤くんの事を考え、読んでいるラノベのキャラもすべて安藤くんに見えるという禁断症状を発した私の飢えた心と精神を、安藤くんの安藤くんによる私の為の安藤くんで癒し、あまつさえクンカクンカペロペロしようとだなんて――)
すぅうぅうううう――――――ッ!!
「ふぁぁああ~~……」
(――って、気付いたら何で私は安藤くんの制服に顔を埋めながら思いっきり息を吸って、他の人には到底見せられないような顔をしているのよぉおおおおおお!)
「安藤くんの制服……なんて恐ろしいのかしら! まさか、私の完璧な理性がこんな一瞬で破られるなんて……まぁ、でも安藤くんは寝ているし見られなければセ――」
「…………」 ← ちょうど起きて、目の前の光景に固まる安藤くん
「フ……」
(どうみてもアウトじゃないのよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!)
「え……え?」
(あ、ありのまま今起こった事を話すぜ……風邪で寝ていたら、彼女が不法侵入して俺の制服に顔面から飛びつきア
「安藤くん、まって! これは違うのよ!」
「何で、朝倉さんが……」
(いや、待てよ。落ち着いて考えるんだ俺! いくら、朝倉さんが完璧美少女の振りをした残念でポンコツのスカスカ美少女だといっても、こんな状況は流石にありえないだろう……不法侵入に関しては妹が家に入れたという線もありえるが、制服に顔面から飛びつくほど俺の彼女はそこまで落ちぶれてはいないはずだ。なら、この状況は――)
「そうか、これは夢か」
「……え」
(安藤くんったら完全無欠の完璧美少女の彼女がせっかくお見舞いに来てあげたのに、何でこれを夢だと勘違いしているのかしら? でも、その勘違い今は好都合ね……)
「そうそう! そうよ! 安藤くん、貴方は今夢を見ているのよ! これは夢! ドゥリィーーム! ファンタジーアよ!」
「そうだよね……ふぅ、よかった。俺の制服に顔面ダイブするア
「あ、ア
「良かった。本当に夢で良かった……」
(どうやら、これは本当に夢みたいだな。だって、夢じゃなきゃ朝倉さんがこんなことを言われて怒ってないわけがないからな!)
「ええ、夢よ。これは夢……
(耐えるのよ私! ここで怒ったらあの醜態が現実だと認めることになるわ……今は耐えるのよ)
「さぁ、安藤くん。貴方は風邪で疲れているのよ。だから、もう眠りなさい。一応はすでに寝ている設定なのだけどとにかく眠りなさい」
(そして、覚えておきなさい♪)
「うん……なんか急に寒気がしたし、寝ているはずなんだけどもう一度寝るとするよ……」
「ええ、それがいいわ。そうだ! 安藤くんがちゃんと眠れるように隣で頭撫でてあげるわね」
(どうせ夢ってことになっているんだから、少しくらい甘えてもいいわよね?)
「うん……」
(今日の朝倉さんは胸以外はなんだか大胆だな……やっぱり、夢だからかな? そうだ。なら、俺も普段はできない大胆なことをしよう。どうせ、夢なんだし!)
「朝倉さん、一緒に寝よう……」
「え、きゃ!」
(ななななあんなああ!?!? 何これ!? 何で、私はベッドの中に引きずり込まれて安藤くんに抱きしめられているのよ!?)
「うーん、ムニャムニャ……朝倉さん、良い匂い……スカスカだぁ」
(あたたかくて、やわらかくて……そして、一部分が少し寂しい……流石は俺の夢、なんて再現度なんだ)
「あわわあわわあわあわわたしはたわわわ……」
(フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!! 安藤くんの匂いがちょくで! じかで 生で! これが、生安藤くんなの!?)
十分後
「……zzZZ~~」 スカー スカー ← 爆睡中
「…………」
(どうしよう、安藤くんったら、私を抱きしめたまま本当にそのまま寝ちゃったわ……でも、この隙にキスくらいならしてもいいかしら? だって、安藤くんったら付き合っているのに全然自分からはしてくれないし……)
「……zzZZ~~」 スカー スカー ← 爆睡中
「ね、寝ているわよね? よし……いただき――」
スカチャ! ← ドアが開く音
「お兄ちゃん、サクラお義姉ちゃん。ただいまー♪ どう、仲良くして――……」
「……zzZZ~~」 スカー スカー ← 爆睡中の兄
「――…………」 ← その兄にキスをしようとする添い寝中の義姉(仮)
「あはは……ご、ごゆっくり~」
「ち、違うの! 妹ちゃん、待って!」
「お邪魔しましたぁ~」
「……zzZZ~~」 スカー スカー ← 爆睡中
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! チョコはもらえたかしら? 委員長よ。
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回、何故かの 「秘密組織、教団O」 よろしくお願いします!
「じゃあ、じゃんけんを始めるわよ? 出す手は決まった? チョコはもらえた? もちろん、私は決めたわ。いくわよ……フン、もうこの恥ずかしいセリフにも慣れたんだからね!
あ、そうだわ。今日はバレンタインだから【チョコ】に因んで【チョキ】を出すかもしれないわねぇ~? もし、私が【チョコ】に因んで【チョキ】を出した場合……【パー】以外は受け取ったって言えるのかしら? 【グー】や【チョキ】で受け取るって失礼よねぇ~?
皆、良いかしら? じゃあ、行くわよ…………ペタペタぺたりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【チョキ】
「もちろん義理よ? ハッピーバレンタイン♪」
(フフ……これで、私の人気がまた上がったわね……) ニヤリ
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