「プラトニックを求めるワタシとそうじゃない桜雪ちゃんだから逢わないって決めたんだもんね…ゴメンね」

「どっかに行こうよ」

　彼女から誘われたんだけど僕は、それに応えられなかった。

　逢えば抱きしめたくなる…だから好きなだけでいい。

　モニター越しに映る、数秒間の彼女。

　月に何度か同じ時間に、同じホテル内を行き来するだけ。

　逢わない…すれ違うだけの関係でいい。

　片思いなんてそんなものだ。

　嬢と客、それが正しい姿だったのかもしれない。

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