星屑の魂の重さは二次創作と便乗企画商法の境目を超えやがて星になる

 ある人気コンテンツが消費者によって再生産される必然と、更にその消費者を集った企画が商売として成立する再生産が産業と変わる風景をかつてコンテンツを支えたヒトの視点で訴えたものなのだろう。
 それは機動戦士ガンダムというコンテンツが多くの人々に長い時間受け入れられ、遂には当初の物語とは似ても似つかないものに変貌してゆく変化の過程とも云える。
 機動戦士ガンダムを優れたコンテンツと認めることは吝かではないが、かつてある消費者創作者が楽しく消費再生産できた娯楽作品が、更にいつしか呪いを撒き散らす存在になり始めた、そう云う時代になったということだろう。
 単に、自らも乾きを癒す側だったろうという揶揄も出来るが、一旦は確かに滅びかけていた機動戦士ガンダムというコンテンツを、サイバーコミックが長く苦難の時期を支えた貢献については軽視されるべきではない。
 重力に魂を惹かれる者たちが、当初はスポンサーの都合で打ち切りにされた作品を数十年も支え世代を超え認め、遂には自らの重みで呪いを発するようになった。
 人の魂の重さと人の愚昧さを感じさせる悲しい現象だが、もはや吹き飛ばすのもエゴだし叡智を授けることもエゴなわけだ。

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