第3章 二次創作の未来


 アメコミでは二次創作の矛盾を解消するため「平行世界」という概念を取り入れています。作り手側が 矛盾する設定があるけどよろしくね と明言することで成立しています。この概念が日本でも受け入れられれば作劇の幅がもう少し広がるのではないでしょうか。


 アメコミ映画を見てると「平行の独自世界だが要所で既存要素をうまくはめ込む」というのが上手です。

 これはハリウッドのライターにオリジナルが書ける力量があるからで、他人のやり方をなぞって書いてしまってはタダの偽物にしかならないのです。二次創作とトレースを勘違いすると読み込みが浅く矛盾だらけになってしまい、せっせと言い訳を重ねるという最悪なものになってしまいます、付き合わされる方はいい迷惑です。


 有名作品には「訴求力がある部分」と受け手が「疑問に思う」部分があります。

ファンの好きな部分は残して「矛盾点」を美味く処理できるのが二次創作としてうまくいく秘訣ではないでしょうか。


 自分は「二次創作ルール」を法的なものも含めて整備する必要があると感じています。

一番の問題は「著作者権限の拡散」でしょう。

 二次創作を元にした場合は、二次の作者の許諾等が必要であるのは当然なのですが、二次創作の二次創作はどうなるのか?

 個人であったり、正式に申し入れる版権窓口が無かった場合は権利が多岐にわたり、権利クリアに時間がかかり進行途中で頓挫する可能性すらも出てきます。


 解決策の提案としては 著作権法67条の"権利の所在が不明な著作物の利用に際しては文化庁長官の裁定を仰ぎ、補償金を国庫に供託することで利用が可能となる”の弾力運用が使えるのではないかと思っています。


利用者は

1.管理組織が存続する場合は、許可を得る。

2.二次創作物で管理組織が作者が把握できない、業務上負担となる場合は、利用者は直接交渉が出来る

3.相応の確認作業を行っても、本人が見つからない場合は拒絶理由確認不能で国庫信託金で利用できることが出来る。

4.3での利用をする場合は、後日著作者の拒絶が明確であれば、協議の上販売停止の責任も負う。


以上の明文化。


 著作者に対しては、公的な「著作権意思表示データベース」作りと信託制度はどうでしょうか。


1.著作者が、データベースに自己で登録する。(本人確認はマイナンバー利用) 著作者が故人の場合は相続者が登録できる。

2.利用範囲を公的にアナウンスできる。

3.行方不明など本人の受け取り困難な著作権印税が発生する場合は、公的機関に信託し登録があればマイナンバー追跡で勝手に税金額に補填する。 (手続きをしない場合は100%源泉徴収されるので自分で手続きをするメリットがある)

4.故人の場合は、遺族に死後50年税軽減が引き継がれる。



 利用者のフェアユース出来る窓口を広げて、管理者不明なものを税収にすることで活発な創作活動を促す狙いがあります。


 問題点は「めったやたらに著作権登録して、すべてのアイデアが自分にある」と主張する「権利ゴロ」の発生でしょう。

 悪意のある利用対策には、「事前に同内容が存在する場合は、原著作者としての主張は出来ず 孤児著作物扱いとする」という規定が必要かと思います。


 「うちの作品に似すぎちゃいませんか」的なインネン付けられた場合は 先行作品のさらに先行を調べて創意無効化を主張すればよろしいかと。 

 

・すでに存在している同内容著作物がある場合は主張することが出来ない。 

・保護期間50年を経過したものも同様


が基本原則。

受け取りを納税補填に使うことで、不正な要求する個人組織を可視化し、納税額超過の還付は原則3年後からとすれば、悪用はかなり防げると思うのですがどうでしょう。

 クレームから無効を主張した場合、自分の作品も無効化されるリスクもあります。


 自分の場合で考えると

・自分のガンダム二次著作物の許諾権は原著作者にある。

・ゲーム、模型などでの利用は、本人確認不要。ただし出典明記

・コミック・小説などの商圏が重なるものは本人要確認


と表明して、

・使いたい利用者がいれば版権管理会社に利用料納付。

・版権管理会社は、指定著作者の印税として国庫納付出来るので、作者を探し出して契約締結は不要。(印税割合は商慣習として適切であること 納税手続きの費用は割り引ける)

・著作者がデータベース登録してマイナンバー紐付けを行っていれば、税金額が軽減されるので損にはならない。


 といったイメージです。

作者に直接通さなくてもOKなら活路が広がるような気がします。


 二次著作物の管理に「マイナンバー紐付け、税金にポイ」システム。いかがでしょうか。



おわりに


「ガンダム ジ オリジン」が「ガンダム(初)」リライトの最適解だと考えています。見たかったものが全部入りでした。

 自分も含めて戦争体験が無い世代は、安易に戦争を扱ってしまいがちです。

自分たちがホビーとして受け取ったガンダムの中には「ガンダム(初)」制作スタッフの戦中戦後の体験が含まれていることを意識して、陰謀論では片付けきれぬ世界の複雑さを後世につないでいって欲しいと思います。


松浦まさふみ(1967年 終戦後22年目の生まれ)

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「ガンダムUC」 に思うこと ガンダムと二次創作 松浦まさふみ @matsuurama

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