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リオンははなはだ疑問だった。
打ち身、傷痕はほとんどふさがった。
だというのに、この体たらく。
そういえば昔、特にやんちゃと言われる時期に、よく少女と間違われたものだ。
なぜか? そんなことは知らない。
浅黒く肌は焼け、腕も手も足まで棒のようだったというのに、なぜなのか?
おまけに髪は短かったし、男も女もないという幼いころ。なぜ彼がその後にわたってたびたび女性と間違われてきたのかが、本人にもわかってないのだ。
ただ一度だけ、親切に教えてくれた人があった。
『目よ』
その女性は言った。
『目が惹きつけるもの。そんな男の子っていないわ、普通はね。そしてもっと無作法』
自分は女性的な目をしているというのか? そんなものがあるとすればだが、それとも母に似た目の色がそうなのか。それ以外でいうなら、女性的な目つきをしているとでも?
今一番見たくないもの、それは自分の姿だ。幸運なのは目覚める前まで。あわれなことだった。
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