犬も歩けば

幼女

「わぁい! 犬ちゃんとお散歩だよ~♪」


「わんわん! はっふはふ!」


幼女

「あっ! 犬ちゃん、そこに棒があるから気をつけてね――犬ちゃん!!!」


「がふっ!!」どかーん!


幼女

「犬ちゃん! そんな! 棒にあったった衝撃で瀕死になっちゃうなんて!」


「くぅーん」吐血どばしゃー


幼女

「誰か! 犬ちゃんを助けてください!」


周りの人たち

「「「…………」」」


幼女

「お願いします! 誰か助けてください!!」


周りの人たち

「「「…………」」」スマホカメラぱしゃぱしゃ~


幼女

「こ、これが……傍観者効果!」


幼女

「良い子の皆に説明するね! 傍観者効果って言うのは、集団時における人の特殊な行動とその心理を説明する言葉なの!」


幼女

「分かりやすく説明すると、『人は大人数の中では積極的に行動しづらくなる』ってことで、今回の場合だと明らかに犬ちゃんの為に救急車を呼ばないといけないのに何故か反応がとっても鈍くなって誰も行動に移さない現象について指しているんだ!」


幼女

「えっとね。原因はいくつかあって、『他の誰かがやってくれるだろう』とか『みんな何もしないし結構大丈夫なのかな?』とか『急いで助けに走って、もし大したことなくて後で笑われたらどうしよう』なんて考えが行動を阻害するって言われてるの!」


幼女

「人間にはそういう心理状態が存在するってことを踏まえて、万が一の際には積極的な行動をとれるよう心がけたいよね! 幼女ちゃんとの約束だよ♪ じゃあね~☆ミ」



 第一回、幼女ちゃんと学ぶ社会心理学終わり。


 ちなみに犬ちゃんは死んだよ終わり。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る