Jail Fragment

作者 木古おうみ

ミステリーが真実を隠しつつ照らす

  • ★★★ Excellent!!!

この小説、文庫があったら、自分の本棚に入れます。
収容所に隠された独特の世界観で、一気に読んでしまいました。
短編なのもとてもうれしいです。

本作は、法律でも心理でも解き明かせないミステリーですが、
解き明かすこと自体は、不要です。

収容された人々は、独特の社会性を保ち、多くは文化人的でした。

共通する謎、殺人と殺人に係る不可思議はもう終わった認識のようで、
カウンセリングが取り留めなく進み、表面的には何事も起こりません。
囚人たちの過去と性分と人間らしさと何かしらのこだわり(愛)を垣間見るだけですが、それでいてミステリーが真実を隠しつつ照らすため、複雑な魅力があります。

読後感は、独特な世界観にもかかわらず、さっぱりとした小気味よいです。
それでいて少しずつ関係しあう人々と共通する謎に、深い人間ドラマを感じました。あのあとどうなったんだろう、とか…わたしの想像力やそれでは及びつかないもっと深い世界観で、この世界を(登場人物たちには大変失礼で申し訳ないですが)もっと知りたいと思っています。

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★★★ Excellent!!!

ゲームの動画などで閲覧した程度なので、SCPには詳しくないですが、興味はとてもあります。
こちらも読んでみましたが、囚人達の能力、他愛もない話に宿る彼らの思惑などから色々推測出来て、とても楽しめまし… 続きを読む

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