泣き言は言いたくなるけれど

上下を向けるようになっただけでも大きな進歩だと思わなきゃいけない。


私が入院先に持ってきて欲しいと親に頼んだのは本だった。

今でも忘れない。本は池井戸潤一の「陸王」だった。

本の内容が全く頭に入って来ないのだ。

冷静になれば、本を読もうと下を向くと目が回って集中できていないだけなのだが、私は

「頭がおかしくなった。小説の内容が頭に入って来ない」と本気で思い、絶望した。


今でも、あの時の絶望が蘇ってくるような気がして、「陸王」は読んでいない。

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