第224話 二人目の人魚姫?(4)

 そう、向こうの世界……。




 僕のシルフィーヌや家の御先祖さま達が産まれ育った世界にいくため……。家の本当の御本家になるダィンドー家の当主、姫さまであるシルフィーヌを自身の部屋、お城へと送り。連れて帰ってあげないといけない、だけではないか?



 次世代のダィンドー家の当主、主になる僕は他の者達──。


 そう僕やシルフィーヌ……。




 そして? 今は大変に御機嫌麗しい様子でいる従妹の亜紀ちゃん達以外の人魚──。一族の者達へと、次期当主になる僕は挨拶をしないといけない。してくれ。欲しいと、シルフィーヌに嘆願をされたのだ。


 今後我が一族をどのように僕が導くのか話し。説明をしてくれと。僕は妻であるシルフィーヌに、今にも泣き出しそうな顔で嘆願をされたのだ。


 だから僕は、今迄の自分……。




 そう己が直ぐに落ち込み、憂鬱になり。気の病になり。どうしようもない。情けない男へと変貌する弱い心と自分自身とサヨウナラ、お別れをする。することにしたのだ。


 だって僕には新たな家族──。


 そう、妃、妻が一人できた。


 ……だけではない。ないのだよ。


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