第196話 人魚の姫さま、日本の近代魔法に驚愕? 歓喜? 感動?(3)

 で、でも? 私(わたくし)の主であり、王子さま、勇者である筈の夫、新太からは、何の返答、言葉、台詞も返ってこない。こないの。


 と、なれば?



 一人でこんな訳の解らない場所へと連れ去られて監禁? 多分されている女身一つの優艶な容姿にされている私(わたくし)自身がごく普通に思うことはと言うと?



「どうしよう?」、「どうしよう?」、「私(わたくし)自身の旦那様以外の、輩達の子を。私(わたくし)自身が、身籠るようになったらどうしよう……?」と、しか。


 私(わたくし)自身も思わないし呟き嘆くことしかできない。


「どうしよう? あなた~?」とね。


 だから私(わたくし)は、このベッドのように横の長いフワフワな椅子に座りながら己の両腕──掌で、自身の顔を覆いながら『シクシク』と涙を流し、垂らし自戒迄始めだすのだ。


 もうそれこそ? 己の気が触れ壊れそうなくらいにね。泣く。喚く。『うわぁあああ~。あなた~。あなた~』とね。と、言いたいところではあるのだが。

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