第118話 白馬の王子さま? は、人魚の姫へと不満を漏らします。(4)
……だけではない。ないのだ。
「ああ~、それは、そうと、新太~?」
「えっ? な、何かな? 姫さま……ではなく。シルフィーヌ?」
「私(わたくし)は新太と夫婦、妻、妃として繋がっていますから。新太が自身の脳裏で思い描くことや邪、破廉恥なことも全部ひっくるめてわかり、理解できますから~。新太~。あなたは~。私(わたくし)に内緒で浮気~。私(わたくし)以外の女性を囲っても直ぐにわかる。ばれると言うことを理解しておいてくださねぇ~。わかりましたか~? 新太~? いや~。御主人さま~?」と。
シルフィーヌは仁王立ち、己のくびれた細い腰に両手を当てながら、主人である僕に邪なことは思案をするな! 浮気も絶対にゆるさない! と、再度釘を打ってきたのだ。
でッ、それを聞けば、と、いうか?
僕の人魚の姫が。先程から僕のこと……。
そう、何に対して、というか?
先程から僕に対して事あるごとに憤怒! 怒りをあらわにするのか、が。僕自身がやっと理解ができた。納得をしたのだ。
う~ん、どうやら僕は? 自身の妻……。
それも? 押しかけ女房と言う奴になる妃、人魚姫に身心共に管理、監視をされているみたいだから浮気心……と、いうか? 邪な想いや感情を湧かせば直ぐにばれるから。僕は人魚の姫さまの忠実な下僕、夫として今後の余生を過ごしていくしかなさそうだね。
まあ、僕の人魚の姫は。僕の老後の世話──下の世話もちゃんとできると実証してみせた。くれたから。まあ、いいか~。今後はシルフィーヌに心から従い尽くそうと、僕は姫さまの主。一族の当主となるのにも関わらず。夫らしくないことを己の脳裏で決意したのだ。
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