第17話 押しかけるマスコミ

 その頃、ジャングル出版社の編集には多くのマスコミが押し寄せていた。


「この編集部に時空ペンギンが現れたのは本当ですか?」


 マスコミの編集者が口々に叫ぶ。


「誰が被害にあったんですか? 答えてください!」


 現場のカーテンを閉める警察官。


「こんなことになるなんて……」


 頭を抱えるタイガー。警察にことの事情を伝え終わり、やっと開放されたところだ。


「そうだ!確かムー・アーケ先生にはお子さんがいらっしゃったはず。早急に知らせなければ……」


 そっと窓から外を覗くと、マスコミの数が先ほどより増えている。


「困ったぞ。」


 その時ランドリー回収のサイのおばちゃんが通りかかった。


「……これだ!」


 おばちゃんが離れた隙に洗濯物に紛れる。ゆっくりとランドリー回収boxが動き出す。エレベーターに乗り、地下二階へ降りる。おばちゃんは警備室に入館証を提示して坂道を登っていく。ランドリー回収boxは自動運転だ。その時、一枚のタオルが風に飛ばされ、おばちゃんは急いで追いかけ坂道を駆け下りていく。


「今しかない!」


 タイガーはランドリー回収boxから出て、駐車場の隅に隠れる。タイガーは手紙を出した際のリー・ムーケの住所を確認し、そっと駐車場から抜け出し、彼らの自宅へ向かった。


「どうやって説明しよう……」


 タイガーは困っていた。


 時空ペンギン。この存在は謎に包まれている。時空ペンギンは毎回犯行後にメモを現場に残していく。


 ──時空ペンギンここに現る。

 ──本日の獲物回収済み。


 たったこれだけのメッセージを残して、みんなをどこかへ連れ去ってしまうのだ。みんな怯えていた。誰がいつ被害に会うか分からない。そして、このペンギンの正体を見たものは誰もいない。見たものはどこかへ消えてしまっていたから。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます