十二章「散りゆく恋の花弁」


───嗚呼、できることならこのまま一緒に。







──あとは任せたぞ!







─この村で出会わなければ。







*


「凪様、辻様、本当によろしいのですか。今ならまだ逃げることだってできます。今一度お考え下さい...」


「おじいさん。何度止められようとも、私たちの考えは変わりません。私と辻はこの集落を藤吉の手から守ります。私たちがここから逃げればきっと、奴らはこの集落に火を放つでしょう。それだけは絶対に阻止しなきゃ...」


「アンタが優しいもののけだってのはわかった。でも、凪は昔から一度決めたことは絶対に譲らないんだぜ。私は凪が決めた道なら一緒に歩く覚悟だってある。死ぬ気はないし、心配すんな!」



奴らは早くとも今日中にこの集落へやってくるだろう。

もう私たちに逃げ場はない。逃げる気もない。

ここで藤吉を迎え討ち、奴の野望を打ち砕く。

万屋として、私たちは最後まで自分の使命を全うする。

それがお母様から受け継いだ私の覚悟なのだから。


私達の覚悟の表明に長老は何も言えず、口を塞いでしまう。無理もない。彼は私を守ることだけが死んでも尚ここに存在する意味なのだから。それがわかっていても、やっぱり関係のない人達を巻き込みたくはなかった。ここから逃げてこの集落に住まう人達が死んでしまったら、私たちはこれからずっと罪悪と後悔を抱えて生きていかなければならない。それは死ぬよりもつらいことだ。そんな道を私は歩きたくない。それは辻も同じのようで、結局私たちはこの集落から逃げることを選ばなかった。


日が暮れるまでの数時間、私たちは集落の人たちを避難させることに使った。

必要な荷物をまとめ、ほとぼりが冷めるまでこの集落には近づかないように注意した。

中には反発する者もいたが、長老の顔もあってここに住まう人達の避難はすみやかに行うことができた。


そして真っ赤に染まる空の下、誰もいなくなった集落の中央に私と辻は座り込み、背を合わせながら暫くの感傷に浸った。

辻の温かい体温が背を伝い、これまで触れ合ってきた時間を脳裏に映し出す。

初めて出会った日のことや、過ごしてきた日の記憶、苦しいことも楽しいことも二人で歩んできたんだ。そしてそれはこれからも変わらない。

共に飯を食べ、酒を飲み語り合う。笑ったり泣いたり時には怒ったり、大変なことも確かにあったけれど、隣にいてくれる辻のおかげで私は折れずに笑顔でいれたのだ。


次第に指を絡ませ互いに背を預け合い、空を見上げる。


今辻が何を考えているかはわからないけれど、不安は自然と感じない。

もしかしたら今日、私達は死ぬかもしれない。藤吉たちの陰謀によって、今日の日にこの身は朽ちるかもしれない。

たとえそうなったとしても、私たちは誰も恨まないし、後悔もしない。

だって、辻と一緒に死ねるならこの世に未練も何もないもの。

共に生きて共に死ねるなら、こんなに幸せなことってないでしょう。


「凪。私さ、凪に告白されたとき、正直迷ったんだ。別にお前のことが好きじゃなかったとかじゃないぜ?ただ、掟に背いてお前と生きていくのが怖かったんだ」


「知ってたわ。私だってあなたへの気持ちに気づいたとき、怖かったんだもの」


「...そっか。やっぱ気づいてたんだな。うん...でも、でもな、私はお前と恋人になれてよかった。今ならそう言える」


手は繋がれたまま、辻は私へ振り返りはにかんだ。その笑顔は昔から変わらない私の大好きな笑顔だ。

この笑顔に惹かれて私は辻のことを好きになったんだ。

この笑顔を守りたいと、あの時思ったんだ。

できることなら、辻の笑顔を失いたくはない。

できることなら、このまま一緒に。


「凪、私は平気だ。心配すんな。ずっと、一緒だ。そうだろう?」


「わかってるわ。今更後には引き返せないものね」


陽は西の方角へと沈んでいき、辺り一面に紫色の怪しげな光が広がる中、私たちは飽くことなく語り合った。

少し寒さを感じたが、触れる辻の手のぬくもりがその寒さもわからなくなるほど私の心を温めてくれた。

松明の優しい明りに照らされた集落は幻想的な雰囲気に包まれ、ところどころに積もる白い雪ですら照明のように輝いている。


「...辻。そろそろ時間ね」


「ああ...、そうだな」


やがて、遠方の山の方から集落に続く道をたどる無数の光が見えてくる。光は列を作り蛇のように山道を下り、徐々にこちらへ向かって移動している。

あれが藤吉を雇っている政府の役人たちなのだろう。

遠目でもわかるくらいごつい武装に呆れてしまうほどよ。

女の子二人を確保するためにあんな大人数でやってくるなんて、本当に馬鹿ね。


「すげー人数だな。五十はいるんじゃねーか?」


「そうね。数えるのも面倒なくらいいるわね」


私も辻も余裕そうな表情を浮かべているものの、心のどこかでは死を覚悟していた。

どう考えてもあの人数を二人で捌けるわけがない。

でも、それでも...私は逃げない。

ここで奴らを倒して、私たちはこれから先を生きていく。


光の群れはやがて人間の持った松明だと認識できるほど、近くまで接近しており、ざっざっとやたら大きな足音を鳴らしながら集落へ一直線。

そして戦闘を歩く男の姿は嫌でも忘れない。


「やっぱり、あの男も来てるのね」


「...藤吉」


長刀ながかたなを背に携え、役人に指示を与えながら男は集落の入り口で立ち止まった。

相変わらず気味の悪い笑顔を浮かべ、私たちを静かに見つめている。


「...やぁやぁ、これは万屋のお嬢さん方.....お久しぶりですねぇ」


「えぇ、できれば二度と会いたくなかったけれど...」


男の嘲笑に合わせ、私も不敵に笑みを作った。

この男には弱さを見せたくなかったのだ。

もしここで死んだとしても、この男に弱さを見せればそれを利用されかねない。だったら強がりでも何でもいい、私は私らしく、最後まで戦い続ける。


腰に添えられた刀に軽く触れ、変わらず笑いながら藤吉の後ろに伏せる役人たちを見据える。

数はやはり数えるのが面倒なほど。きっと五十~六十辺り。全員が防具と真剣を装備している。

冷静に考えれば勝ち目はない。全員で斬りかかられれば一瞬で終わりだ。


「さて、と...こんな物騒な集団で来てしまってなんなのですが、お二人には大人しくついてきていただきたいのです。手荒な真似は、できればしたくありません」


「嫌よ」


「嫌だぜ」


私も辻も、即答した。

この男に従う理由なんて私達にはないのだ。

ここで従っても、逆らっても、運命は変わらない。


そろそろ話はここらへんでいいだろう。

寒さで体が凍えてしまうし、この男と今更語らうことなんて何もないのだから。


私達は一歩だけ前へ踏み出し、腰に添えられた刀を握る。

この刀を振るうのも今日が最後になりそうだ。


「はぁ...仕方ありませんね。もしここで死んでしまっても、私たちを恨まないでくださいね?」


にちゃりと気色の悪い音を立てながら口角を思い切り上げ、汚れた歯を見せる藤吉。

それが合図のように、藤吉の背に伏せていた役人たちは鞘から刀身を抜き五月蠅い雄たけびを上げながら私達へと一斉に斬りかかった。

しかし、役人たちの振るう刃はどれもでたらめで、なにより遅く、避けるのは容易だった。


「へっ、こいつら素人かよ」


「辻、油断はしないで。いつも言っているでしょ?」


「わかってるっての!」


あっという間に役人たちに周りを囲まれ、その中心で私たちは背を合わせながら中段に刀を構える。

確かにこいつらの動きは素人のものだが、数があまりにも多すぎる。

避けても避けても攻撃に移ることができない。

鋭く空を斬る音と共に無数の切っ先が私たち目がけて振るわれ、それを躱しながら次の斬撃も刀身で受け止め薙ぎ払う。

流石の辻も避けるのでいっぱいいっぱいという様子で、防戦一方だ。


「さすがは万屋の娘達。動きは素晴らしいですが、これではいつまで経っても埒があかないですね。仕方ありません。皆さん、金髪の方を狙いなさい。七対三の比率で、黒髪の動きを抑えながら、辻さんを微塵切りにしてしまいなさい」


藤吉の指示によって今まで私を狙っていた役人たちの半分以上が辻へ刃を向けた。

確かにあの人数で向かわれれば辻だって全部を避け切るのは不可能だが...


逆にこれはチャンスでもある。


少しだけ辻が耐えてくれれば、少数に分かれたこいつらを私が斬る。


「任せとけ、凪」


どうやら辻も気づいたらしい。

もしかしたら、ここを乗り切ることができるかもしれない。


私は一瞬だけ瞳を閉じ、精神集中を行った。

本当に瞬きをする程の一瞬だ。

きっとこいつらはその一瞬を逃さずに私へ斬りかかってくるだろう。

しかし、そんなのは躱せばいいだけのこと。

全て躱して右手に構えたこの一太刀に意識を運び、一気に八方へ振りかざす。

この間たった二、三秒。

前方で私の刀身から逃れようと身を引く役人へもう一歩踏み出し、私が振りかざした刀は滑らかに役人の腹部を滑っていく。

そして前方に向く体重の反動を利用して宙へ跳び、真下で唖然と口を開きながらこちらを見つめる男の顔へ刀を振り下ろした。


たった二人がやられただけで体制は崩れ、役人たちは躊躇いながらも私へ刀を振るった。

しかしどれも文字通り的外れで、私に傷一つ与えることはできない。

それどころか、先程よりも隙が生まれ、私の刀はその隙を逃さずに突いて斬って貫いていく。

鮮血を散らせながら倒れていく男たちを一切も見ず、私の視線は辻の方へと向いた。

彼女もギリギリながらも傷は作らず全ての斬撃を寸でのところで躱していた。


「...あと少し」


刀身に染み付く血液を振るいながら数少なくなった役人たちを睨み、切っ先を向ける。

男たちは私のその姿に戦意を喪失しているかにも見えるが、未だ私へ向けられる刀が下ろされることはなかった。


そんな私たちの姿を藤吉は一人外れたところで眺めている。

依然と余裕綽々な気味の悪い笑みを浮かべたまま特に手出しする様子もない。

何を考えているのかわからないが、このままいけばきっと───


「ぐぁああっっ──────!!!」


辻の悲鳴にも似た狂声が集落に響き、私は咄嗟に辻を見た。

そしてその絶望的な光景に、私の視界が眩む。


辻は腹部から鮮血を吹き散らし、痛みに表情を歪めながら地面に膝をついていた。背から長刀が突き刺さっており、腹部まで貫通している。

やっと動きが止まった辻へ、役人たちが皆刀を辻の首元へ向けた。


「やめろっっ──────!!」


私はわけもわからず走り出していた。

喉から発せられる狂ったような怒りに任せながら今にでも辻を斬ろうとかかる役人たちを背後から切り刻み、返り血を浴びながらも私はひたすら刀を振り回した。

その時何を考えていたのかは正直覚えていない。ただ目の前で愛する人が傷つけられたことにたいしての深い憎しみや怒りに駆られ、気づけば私は辻の隣に倒れていた。


手足は縛られており自由に動くことができない。

猿轡さるぐつわによって言葉を発することもできなかった。


同じ形で隣に倒れている辻。

まだ息はあるが、このままでは長くもたない...


「まさか連れてきた兵の三分の一もやられてしまうとは...これは計算外ですねぇ...、愛の力、とでもいうのでしょうか」


辻の腹を貫いた長刀に付着した血を吹きながら、藤吉は私に視線を合わせ笑みを浮かべていた。


あの一瞬でこの男は長刀で辻を突き刺したのか...

そんな早業、もはや人間業じゃない。


私達の負けだ。

結局私たちはこの男から逃げきることができなかった。

私は辻を守ることができなかったのだ。


「さて、では村に戻りましょうか。貴方たちの処分は村で決めます」


こうして私たちはあっけなく藤吉の手によって捕らわれた。

しかし、後悔はない。

やれることはやったのだ。

今は辻にこう言ってやりたい。


お疲れ様。



*


村長の邸宅の地下に牢屋があったなんてことは知らなかった。

明かりも通らない蝋燭ろうそくのか細い小さな明かり一つが灯る地下牢。

私と辻はそこに鎖で繋がれた。


村に着いてすぐ、辻は応急の処置を受け一命を取り止めた。

これから私たちはどうなるのだろうか。

いや、もうどうなったって構わない。

きっとこの先の未来に光はないだろう。


「...もう、何日経ったんだろうな...時間もわからない。暗くて寒くて、これじゃ眠れもしねーな.....」


「...そうね」


あれからおそらく二日は経っただろうか。

殺すのなら一思いに殺してほしい。

それが私と辻の今の願いだろう。


しかし、一向に誰も個々へやってくる気配がなかった。

藤吉もあれ以来私たちの目の前に姿を現さない。

外では一体何が起こっているのか...。



それから数時間して、地下牢を歩く足音が聞こえた。

ついに処罰の時が来たのだろうか。

死への恐怖は何も感じない。

寧ろ心地がいい。

愛する人と向かえる最後なのだ。

幸せ以外の何物でもないじゃないか。

幸せのはずなんだ。

それなのに、何故だろう。


涙が止まらない。


「凪。ここを出なさい」


暗闇の中、響いたのはお姉さまの声だった。

蝋燭の弱い明りではその顔を見ることができなかったが、確かにそこにお姉さまが立っていた。


「...お姉さま」


「面会が許されたの。とりあえず、ここから貴方を出すわ」


錆びついた金属音と共に地下牢の扉が開き、お姉さまはボロボロに疲れ切った私へ寄り添い、暖かく抱き寄せた。

お姉さまと別れてから一週間しか経っていないのに、凄く懐かしく感じる。

暖かくて優しくて、私を包み込むような力強い抱擁。


私の手足を拘束していた鎖は外され、辻を残したまま私はお姉さまに連れられ邸宅の霧ノ助の部屋に通された。


「凪。ここで少し待ってなさい。私は辻と話してくるから」


「え...?」


私を布団に寝かせ、背を向けるお姉さま。その声と表情はどこか剣幕で冷淡だった。

そんな姉の背中を見送りながら、私はしばらくの休眠に堕ちていく。


それから一時間が経ち、私は目を覚ました。

横にはお姉さまが座っており、私の手を握ってくれていた。

どうやら辻との話も終わったらしい。

それより、私の面会とやらは何時まで続くのだろうか。

辻をあんな冷たい牢屋に一人残してきて、きっと寂しい思いをしているはずだ。


「凪。何も心配しなくていいのよ。貴方は私が守るわ。だから今は眠ってなさい?」


「...お姉さま、何を言っているの?私を守るって、だって私は...私達はもう...」


私の言葉を遮るように扉をノックする音。そして扉越しに村人の声が聞こえた。


『鈴蘭様。村民会議の時間です。準備をお願いします』


「...凪、ごめんね。眠ってる時間もないみたい。とりあえず、貴方も付いてきなさい」


私はお姉さまの言っていることを理解できぬまま、言われた通りにお姉さまについていく。

以前村長が亡くなった時に行った村民会議で使った大広間に二人で並んで歩いていく。

二つ並んだ大きな扉を開くといつもと少し内装が変わっていた。

中央に空いた空間を作りそれを囲むように大きなテーブルが並べられていた。

村人たちは皆席に着座しており、中央の空いた空間には椅子が一つだけぽつんと置かれていた。


「さて...始めますかな」


上部の席に座る藤吉の一言に私とお姉さまも席に着き、反対側の扉が重たく開いた。

その扉から大広間に入ってきたのは後ろ手で手首を拘束された辻だった。


薄々と、私の頭に疑問が浮かんだ。

どうして私だけこうやって自由の身にされているのか。

藤吉はなぜ私を拘束しないのか。

あの中央に置かれた椅子は、本当ならば私と辻が座るもののはず。ならば二つなければいけない。けれど、あそこに置かれた椅子はたった一つだ。


辻は誰に連れられることもなく、中央の椅子に腰かけた。

彼女は何かを覚悟したかのように強いまなざしで藤吉を見つめている。

私が眠っていた一時間の間に何があったのだろうか。


とにかく、私もあの場に立たなければならない。

と、立ち上がろうとした私の肩をお姉さまが強く握り、掌で私の口を塞いだ。

この人は今この状況で何を考えているのだろうか。

私はここにいるべきではない。

私は辻の隣に居なければならない。


嫌だ。

離して。

私は、私は───


「私は万屋の凪に対し、一方的な気持ちを押し付けこの村の掟を破りました。嫌がる凪を無理矢理村から連れ出しました。これが真実です。だから、だから...罰を受けるのは凪ではなく、この私、一人です」


何を、言っているの?

辻。

貴方は、何を言っているの?

どうしてそんな嘘を吐くの?

違う。

違うわ。

私も辻を愛している。

こんなの何かの間違いだ。


「凪...、大人しくしてなさい。もう、貴方を守るにはこれしかないの」


お姉さまの言葉はもはや私の耳には届いていない。

嘲笑する藤吉の声も、揺らぐ村民たちの声も。

今の私には一切届いておらず、私はただ辻へ手を伸ばそうと...


「ふむ。確かに鈴蘭様の言っていたことは真実のようですねぇ。では、処罰は辻さん一人に対して行うこととしましょう。それでいいですかな、皆さん」


違う。

やめて。

辻を返して。

お願い。

もう、やめてよ。

こんなの、違うよ。


どれだけ叫ぼうとも、お姉さまの掌によって塞がれた私の口からは荒く漏れる息の音しか響かない。

どうして私が生きて、辻が死ななければならない。

辻が死ぬなら私だって死ぬ。

それでいいじゃない。

なんで、どうして。


それでも、私の思いは誰にも届かない。

藤吉の後ろに立っていた男たちが中央に座る辻を連れて行こうと腕を強く引いていく。


あぁ、行ってしまう。

辻が、遠くに行ってしまう。


結局私は、彼女との約束も守れず、こんなときですらただ事が終えるのを見ているだけなんだ。


「凪。あとは任せたぞ!」


部屋から連れ出されるさなか、辻が最後に私へ向けて発した言葉。

何を、任せるのか。

貴方亡き世界で、私は生きていくことなんてできない。

これから何を信じ、何のために生きて行けばいいのか。


私は自分の運命を激しく憎んだ。

こんな時に何もできない自分を恨んだ。


この村じゃなければこうはならなかったのか。この村で生まれ、出会わなければこうはならなかったのか。

どうして好きな人と添い遂げることも許されないんだ。


どうしてこんな村に生まれてしまったんだ。



がたん、と扉は閉じ、そこにはもう辻の姿は見当たらない。

村民たちも席から立ち上がり、皆部屋を出て行った。


大広間に取り残された私は、お姉さまの胸の中でひたすら泣き喚き、自分という存在が壊れていくのを感じた。

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