事故のち、オカン

アキノリ@pokkey11.1

第1話

突然だが。

高一の黒髪、並顔、中肉中背の佐藤隆二はオカンと共に死んだと思う。

オカンの名前は佐藤みゆ子。

高校へ迎えに来てくれた帰り道。勢いよくコンクリート壁に激突してしまった。

多分全員、即死。

一瞬だけど激痛が走った。

そして。

気が付いたら俺とオカンは見知らぬ世界の街中に立って居た。

何だこれは。

何処だ?


「隆二!見なさい!変な生き物が居るわよ!」


ふむ、確かに変な生き物だな。

ユニコーンみたいな。

ってそうじゃねぇ。

エプロンに膨よかな体型。

そして、頭がパーマがかかっている、白髪交じりの黒髪に。

長年、着ている為に色落ちしている様な Tシャツに茶色のスカート。

そして大根足のダサい服のオカンと。

何でこんな事になっているんだ。


「.....母さん。とりあえず、人に聞かないといけない。此処は何処だって」


「そうね。それは大切だわ」


オカンはその様に話した。

そして、何をしでかすかと思ったら。

唐突に出店の側に居た、ア●プスのハ●ジに出てきそうなスカーフを頭に着けたおばさん組に混じっていく。

突然の行動に唖然とする俺を他所に、オカンは会話を弾ませて。

戻って来た。


「此処はメルベールという、民主国家らしいわ。王様が一応に居るけど、民主制度が基本なんだって。そして、この国は成り立っているらしいわ。お母さん、あまりよく分からないけど」


「すげぇ!?見知らぬ他人からそこまで引き出せるの!?」


流石はオカン、マジパネェ。

思いつつ、俺は腕を組んで頭で考えた。

という事は、だ。


「此処は外国か?何で外国.....ってか、王様の統制の国?そんなもん外国に有ったっけ?」


「.....そうねぇ.....お母さんもよく分からないわ」


「.....うーん?」


こういう時はどうしたら良いのだろうか?

例えば、 RPGだと、ギルドに向かえばいい。

だけど、此処は何処だか分からない。

うーむ?

俺は眉根を寄せて悩む。

すると、横にいた筈のオカンが失踪していた。

ちょ。


「メイアイヘルプユー?此処は日本?ジャパニーズ?」


「.....?」


何やってんの。

オカン。

外国人の数名の騎士の様な奴に突っ込んで行ってる。

挑みすぎだろ。


「ちょ!母さん!」


「隆二。この外国人なら地元の人だと思うわ。聞いてみましょう」


何事かと騎士は眉根を寄せている。

滅茶苦茶に怪しまれてんぞ!!!!!

これ以上はマズイだろ!


「行くよ!母さん!」


「あらら」


そして俺はオカンを引っ張って。

その場を後にした。



「とりあえずは.....スマホで調べてから街中の散策しよう。母さん。何か分かるかも知れないから」


「隆二。アイスよ。暑いでしょ?」


「聞けよ!!!!!人の話を!!!!!」


いやいや。

いつの間に買って来たのよ!?

すげぇ!?

ってか、日本の通貨が通用すんの!?


「外国なのに日本の通貨使えたのか!?」


「適当に話して、適当に買ったわよ。凄いと思わない?隆二。だって、100円で買えたのよ?」


いやいやいや。

店主、泣いてるぞ!絶対に!


「突っ込み疲れた.....」


思いつつ、俺はズボンに手を当てる。

そこに。


「.....よし」


「隆二。スマホを扱うのは1時間までよ。目が悪くなるわよ」


「分かってるよ!ってか、今はそんな事を気にしている場合じゃねーだろ!?」


思いつつ、スマホの画面を見た。

特に異常は見受けられないが、電波が立ってない。

何だこれ。

マジでおかしくね?

思っていると。


「隆二!」


呼び声がした。


「何だよ!母さん!」


「この前、一緒に契約してくれた私の携帯のロックナンバーって何だっけ。隆二だけに面倒を掛ける訳にはいかないわ」


いや。もう。

シリアスさが台無しだな。

額に手を当てて、ため息を吐いて俺はスマホを見る。

ん?


「メール?」


最後に受信したのは.....今さっき。

何だこれ?メール?

電波が立ってないのに。






















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