第14話 総理官邸
ネルがやってきて、あっという間に一週間が過ぎていった。
昼休み、学生食堂(アンドロイドのシェフがなかなかの評判)で昼食をとり、学生たちのたわいない会話に耳を傾けていると、助手の山本彩から連絡が入った。
耳元でメロディーがなると、透明なグラスをかけた。
彩「州政府戦略担当大臣から先生にお話があるそうです」
釈「はい、切り替えてください」
大臣「釈さんですか?」
釈「はい、大臣。なにか」
大臣「折り入って、釈さんにお話ししたいことがありますので、総理官邸においでいただきたいのですが」
釈は突然、官邸に呼び出された。
官邸の会議室に通されると、主な閣僚と財界人、さらに有名な学者が顔をそろえていた。
そして、釈の席の横には高木シュウが座っていた。
彼は、アンドロイド工学博士であり、日本を代表するアンドロイドの権威である。
シュウ「よお、お前も呼び出されたか」
釈「なんだよ、なんでおれたちが呼び出されたの?」
シュウ「アンドロイドがやばいことになってるんじゃないの?」
官房長官「皆様、本日はご多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。さっそくですが、州政府戦略緊急会議を執り行いたいと思います。では、総理から一言お願いします」
総理大臣「河内です。本日はありがとうございます。いま、人類においてアンドロイドはなくてはならない存在です。あらゆる方面でその恩恵は数知れません。しかし、他言無用でお願いしたいのですが、アンドロイドの反乱がどうやら深刻な状況になっています。このまま放置すると、人類は存在が脅かされるのではないかという意見があります。そこで閣僚の皆さんと経済界の皆様、学者の皆様にご意見を伺いたいと思う次第です」
防衛大臣「一言よろしいでしょうか。もうすでに危機的な状況です。アンドロイド製造会社の経営者に対して強硬的な措置が必要であると考えます」
シュウ「すいません。K大学アンドロイド工学の高木です。アンドロイドはきわめて優秀かつ人類のために役に立つ存在です。人類の存在を脅かす根拠ってなんですか?」
釈は、一体なにがどうなっているのかわからなかった。
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