第7話 初めてのキス
釈コウリとネルは、シュウとユリナに送ってもらい、自宅に帰り着いたのは、日付が変わるころだった。
釈「今日は疲れたね」
ネ「まだ、今日出会ったばかりなんだよね」
釈「明日から授業なんだ。もう寝よう」
ネ「うん、また明日ね」
釈「キス・・・してもいいかな?」
ネ「・・・いいよ」
釈「おやすみ」
ネ「おやすみ」
翌朝、キッチンから聞こえるジュージューという音で目が覚めた。
釈「ネル、おはよう」
ネ「あ、コウさん、おはよう」
釈「へえ、料理上手いんだ」
ネ「だいたいのレシピは、頭に入ってるからね」
釈「ありがとう。いただきます」
ネ「どうぞ」
釈「ん⁈おいしい!」
ネ「ほんとに?」
釈「ほんとに(苦笑)」
(砂糖と塩、間違ってるなんて言えない)
釈「アンドロイドって食事のときって、どういう感覚?」
ネ「ちょっと寂しいな。人間に生まれたかった」
釈「だろうね。せっかく作っても食べられないんだもんな」
ネ「うん、でもコウさんが美味しそうに食べてくれるとうれしいな」
釈「ははは(苦笑)うわっ!もうこんな時間!」
ネ「もう行くの?」
釈「授業の準備があるからね」
私は、手早くシャワーをすませ、出勤の用意を整えた。
釈「じゃあ、行ってきます」
ネ「行ってらっしゃい。早く帰ってきてね」
(新婚って、こんな感じなんだろな。ケンカが絶えないか、一方ががまんする人間どうしの夫婦よりもアンドロイドの方が幸せなのかもな)
自動運転の車内で、授業の段取りを考えながら、私は大学に向かった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます