第4話 友人のアンドロイド・ユリナ


シュウに続いて、顔を出したのはシュウのパートナーアンドロイド「ユリナ」だ。


ユ「ネルさん、初めまして。ユリナです。よろしくお願いします」


ネ「ユリナさん、こちらこそよろしくお願いします」


シ「二人とも、硬いよ。タメ語でいこうよ」



2030年、世界の人口は100億人を超え、地球温暖化も加速した。


結果、著しい食糧難と干ばつ、自然災害が頻発し、国連は権限を強化した。


各国政府は戦争を回避し、世界連合政府が誕生した。


連合政府が打ち出した方針は、「結婚の禁止」だった。


さらに「男女の恋愛禁止」とエスカレートした。


一生に一度人工受精により、人間は人工培養装置で「製造」されるようになった。


家族が一つ屋根の下で生活することは禁止され、すべての人が一人暮らしをすることを強要された。


その対処方法として、異性のアンドロイドの需要が高まった。もちろん同性愛者は同性でもOKだった。アンドロイドは急速に普及した。


アンドロイドは、個人のデータを瞬時に把握し、生活を支える存在になった。


ところが、先述のとおり、人間に従順でいると、必ず破綻をきたした。


改良に改良を重ね、今ではケンカもし、文句を言うアンドロイドが重宝されるようになった。


しかし、DVやモラハラはアンドロイドによって通報され、逮捕されてしまう。


人間は、アンドロイドを奴隷のように扱うことは許されないのだ。


(続く)

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