黄色い百合の花言葉 2
*****
恵一がアパートから萌の家へと帰宅すると、
姉のめぐみが萌のために作ったであろう昼食のチャーハンが、ラップをかけたまま、置いてあった。
萌の練習は普段なら12時には終わるらしい。
通学時間を含めても、もうとっくに帰って来ていい時間だった。
「もう、萌ったら。ご飯要らないなら言ってよね!全く。彼女かしら」
「え!か、彼女?」
「あら……冗談よ、けーちゃん。そんなに慌てないの。あの子はけーちゃん一筋なんだから、浮気なんかするはずないわ」
安心なさい、と言う姉に、安心出来ない恵一である。
果たしてこの少々天然な姉は萌と恵一の関係を何処まで知っているのだろうか。
いつかは話さなくてはならないが、今ではない。
萌が成人して、より広い視野を手に入れた上で、自分から恵一を選ぶ日が来たら……。
恵一は選ばれる側だ。
それまでは清く正しく、叔父と
……最近ちょっと壊れ気味だけど。
そんなことを思っていると、玄関で音がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます