第79話オーク傭兵団
オークの旦那はブモモと短く叫び華麗に跳んだが、途中で失速し砦の壁の手前で落ちたかに見えた。
が、砦の外壁へとすがり付き軽々とよじ登る。俺達のため息を尻目に、オークの旦那は
驚き腰を抜かす見張りの帝国兵を薙ぎ払い
腰のロープを頑丈な柱へとしっかりと括りつけ、砦の中へと暴れながら消えていった。
道は出来た。後は俺達がオークの旦那に続けるかどうかだけだ。
「お前らいくぞ!!」
オークの旦那が敵を引き付けているため
敵の攻勢はなくロープを頼りに、砦内へと潜入する。
戦闘はオークの旦那に任せ、3班に別れて
別々に行動する。
まずは1班は正面の門を占領し公国軍が攻める足掛かりを作る。
次に2班は妨害工作である。火が付く物なら何でも燃やし、1班の作業が捗るように補助をする。
そして俺達3班は、敵指揮官を狙撃し指揮系統を混乱させる。
敵大将は奥に隠れ残念ながら手が届かないが
数人の敵指揮官を仕留める事はできた。
「ダメだ!1班が手こずってる!!」
連絡役の仲間がそう知らせにきた。
どうやら門に非常用の鉄柵を落とされたようだ。その鉄柵は一度作動すると馬10頭にロープを引かせてやっと引き上げらるような代物だった。1班の15人では手が足りない。いや、俺達全員が引っ張っても何とか出来るとも思えない。
それに今は、敵の攻撃を防ぎながらと難易度は、はね上がる。
オークの旦那が暴れている場所へと
急ぐと、オークの旦那は右手にはお馴染みの丸太のような棍棒を振り回す。
左手には何やら鉄の鎖を巻き付かせている。
しかしその鎖の先は先ほどの鉄柵へと繋がっていた。
鉄の柵は少し浮いていた。馬10頭に引かせる代物をオークの旦那は1人で引っ張り上げるつもりのようだ。
しかし、帝国兵もそれを邪魔するように数で攻める。オークの旦那は物ともせず一歩一歩と力強く前へ進んでいく。その圧力に負けるかのようにジリジリと帝国兵は後退りながらもオークの旦那に対する攻勢は激しい。
その時、帝国側から矢の雨が降った。
その矢の雨は帝国の仲間ごとオークの旦那に降り注いだ。オークの旦那は棍棒で一蹴するが数本の矢がそれを掻い潜り肩や腹に刺さる
効果が出たと悟ったのか、敵の大将が前に出て、射てっ!!と号令を再度出した。
放たれる矢の雨。オークの旦那が再度棍棒で防ぐが先程よりも多く被弾した。
しかし、その矢の雨に逆らうように一本の矢が姿を表した敵の大将へと吸い込まれていったのに帝国側で気付いたのは、帝国大将の顔に矢が突き立ち、崩れ落ち倒れた後だった
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