第59話オークラの旅立ち
あの日マスターが言った。
「オークラ、オークキ。
スゲーな見てみろよ世界にはこんな景色がいっぱいあんのかな?」
その帰り道にオーガの襲来が起きた。
オークキと共にオーガの族長を打ち倒した。
その後はゴブリン先輩達の手伝いをしたりマスターの世話をした。
しかし、何か心に引っかかる物があるのに気付いた。
あの日のマスターの言葉が駆け巡るのだ。
オークキに相談をした。彼女はやりたいようにしろと言った。
マスターはダンジョンからほとんど出ることは叶わない。命の危険しかり、万が一があってはいけない存在。マスターの支配下が増えればそれも叶うだろうが、マスターはあまり
ニンゲン達に混乱を起こすのを避けているようだ。
だから、先見隊としてマスターが見てみたい場所へと案内するために世界を周りたいのだ
マスターには挨拶をしなかった。
また会えると分かっているから。
ダンジョンを出、東へと歩きそこから北へと向かう。マスターの部屋で地図見たことがある。
ダンジョンの真北には越えられないような山があり、このルートはゴブコジロが危険であり接近不可能であると結論された。
この国はブーツに似ているとマスターが仰られた。横から見て親指の第一間接の中間にダンジョンがあり爪先がトンネルを越えた湖岸。親指の爪から甲にかけて山脈が連なる。
まずはくるぶしの当たりまで東に歩き脛を通り北へと向かおうとしている。基本的には森の深い場所を通り人目を避ける。
ダンジョンをでて三日目に突如異変が起きた。莫大な魔力の何かが近づいてきた。
ゴブコジロが言っていた者だろう。
身を隠すが遅かった。
長い爪の一撃を何とか避ける。
グギャーとあざけ笑うように、尻尾の一撃がまたもや飛んできた。
ブモモと息を吐くが、威圧を受け死を覚悟した。
突然、山脈からグルギャァァァァー
と大音量の鳴き声が聞こえた。
目の前にいるドラゴンよりも強い存在の声
足はガクガクと震えるが、目の前のドラゴンも先程までの高揚とうって変わり尻尾は
しぼみ、翼を広げ声のした山脈へと飛んで行った。助かった…見逃されたのだ。
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