第31話駆け出し冒険者

僕は成人になる前に田舎の村をでた。

兄弟も多く三男の僕は畑を貰えないためだ。

自分でお金を稼ぐ術を身に付けねばならない少し器用である僕は、手っ取り早く冒険者になる道を選んだ。武器を持って戦った事は無かったが、死ぬ気でやれば何とか成るだろう


初めのうちは薬草の採取をし、冒険者ギルドで手間賃程の微々たる銅貨でその日暮らしが続いた。 少し余裕が出て来て、鍛冶屋で何か新しい武器を吟味していたが、大きな剣や

重量のある盾等は、高価であり手元の資金では届かない。鍛冶屋の親父にも、剣盾槍斧等の適性は無さそうだと止められた。

ならば何の適性があるのか…、

鍛冶屋の親父も忙しいのに付き合ってくれ、様々な武器を試すがどうやら、今使っている短剣系は筋が良いとそっちを進められた。


しかし、短剣はリーチが無く接近戦の術を求められる。片手では心もとない。

そう言うと鍛冶屋の親父は両手に一本ずつ持ってみてはと提案してきた。

確かに2本の短剣を装備すれば、攻撃回数も倍に増える。盾の代わりに受けることも出来るし。進められる間々に短剣を購入した。


しかし、問題もある。両手で短剣を扱う冒険者は少なく、あまり流儀として確立していない。僕のように器用な両手利きは少ないのだ。


しかし、買ってしまえば試して見たいと思うのが心情だろう。早速ゴブリン退治の依頼を受け少し離れた村へと向かった。


村に着いたが、泊まる場所は無く。

依頼元の村長宅へと泊めて貰う手筈になった


村長や村人、果ては子供にもゴブリンを狩る時の注意点を受けた。

何でもゴブリンの中には悪さをしないゴブリンがいるとか…。初め村長に言われた時は

何を言っているのかと思ったが、会う者会う者にゴブリン退治に来たと言えば同じ事を言われたのだ。


腕や頭、果ては何処かに黄色い布を巻いたゴブリンには手を出さないで欲しいと言うのだから驚いた。


ゴブリンがオシャレをするのかと少し可笑しくなったが。何かの目印かも知れない。

今までゴブリンを見たことはある。

大人や冒険者が倒したのを見たが、

一様に恐ろしい顔であったが高度な知能があるとは聞いたことがない。

見分けるにしても、目印があると助かるだろう。ゴブリンの顔を見分ける自信は無いし…


翌日からゴブリン退治を開始。

1日二匹程、ゴブリンを倒す事ができた。

自分の両手の短剣も上手く扱えてる気がする

怪我もなく数日が経つが上場だ。

未だに黄色いの布を巻いたゴブリンは見かけないが、村近辺のゴブリンも見かけなくなった。明日は少し森の奥へと行ってみよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る