第41話 二人の能力者


そこには二人の男が居た。


一人は細身のイケメン。

もう一人はでかいと表現すべきか・・・いや、十両クラスの相撲取りのような体格をしている。


「ぐぷぷっ・・・叔父貴・・・あの警官も、もう飽きてきた」


そう言うのは相撲取りのような体格の男。


「そうか、僕はもうちょっと楽しみたいけどなぁー」


そう軽く返事をするのは叔父貴と呼ばれた細身のイケメン。


「新しいの捕まえて来てもいい?」


「んー、まあ、いいんじゃない?今度は凄く大人しそうな子がいいな」


「えー、おれは元気がいい方がいいな。色々とやりがいがあるし~ぐふっ」


「まあ、ここが僕達の趣味が見事に分かれているところだね。まあ、だったら二人捕まえてくればいいじゃない」


「おおー!流石叔父貴!そうするよ。ぐふふっ。」


そして、相撲取りのような男は出て行った。


「さあって、僕はもうちょっと警官と遊ぼうかな」


細身のイケメンも立ち上がり部屋を出る。


建物は普通の2階建ての民家のようだ。

だが、この家には地下室があった。

そして、地下室の階段を降りると一人の若い男性警官が居た。


「うわぁぁぁぁ!!来るな!来るな!!」


「えー、今からまた楽しもうよ」


「もう俺は嫌だ!やりたくない!」



「ふふふっ、でも、僕には逆らえないよ・・・さぁ・・・このムチを持って欲しいな」


その瞬間、細身のイケメンの瞳が青く光る。

そして、警官は力が抜けたように大人しくなる。


「はい・・・」


「じゃあ、まずはこれで僕を叩いて欲しいな、力強く・・・」


パァン!!


「う~ん、ダメだね。もっと手首にスナップを利かせて!! お尻の中心に叩きつけるようにっ!!」


パァン!!!


「ああっ! いいっ!! 警官に国家の犬に僕の尻が蹂躙されているぅぅ!!」


「さぁ!! 今度はこのハサミを持って、僕の服を切り刻むんで欲しい」


警官は一瞬グッと抵抗するようなそぶりを見せたものの、そのままハサミを持って近付いてくる。

そして、男の服の色んなところを刻んでいく。


「ああ、僕が警官に暴行を受けている。 服を刻まれて、ボロボロにされていく・・・ああっ・・・」


「さあ、この刻んで地肌が見えているところにムチを打ち付けて下さい!もっとぉ!!」


パァン!!


「うっ、ああっ・・・」


パァン!!


「いいっ・・・」



そして、この男の一方的な指示の元、プレイは続いていった。




「ふひひ、どこかに元気のいい女性はいないかなっ、少女でもいいけどっ」


車を運転しながらきょろきょろとする相撲取りのような男。

ゆっくりと動く車の中にある巨体、そしてきょろきょろと辺りを見渡している。

完全に不審者だ。


「あっ、何かあの中学生くらいの子はいいなぁー。体操服姿で色黒で如何にもスポーツ少女って感じだぁ」


そして、ゆっくりと車を近づけていく。


「ねえきみ」


車越しに窓を開けて声を掛ける。


「はい?」


その瞬間、男の瞳が赤く光る。


「ちょっと車に乗れ」


「・・・はい」


そして、少女は車に抵抗も無く乗ってしまった。


「さあ、この手錠を自分にはめて」


「・・・はい」


「いやぁ、楽チン楽チン。この能力最高だなー。ぐふふーっ」


「とりあえず、一旦この子だけつれて帰ろうっと。ぐふっ。」


そうして、車は能力者達の家に向かっていった。



******


時刻は夜9時。


能力者の家の近くで潜む3人。


「こういっちゃ何だが、この格好の3人って・・・まあ何だ?コスプレ集団だな」


「まあ、それを行っちゃおしまいですけど、いちお全部本物の制服ですよ?」


「俺はともかく、他は本来の職業が違うだろう」


「まあ、それもそうですね」


「じゃあ、楓も準備はOKか?」


と肩をポンっと叩く。


「はい・・・ブルッ」


何か楓さんが小刻みに動いた・・・絶対この人オムツに何か出してるわ・・・。

そして、それもゴールドさんが能力使っての事なのか?


そうこう話していると、1台の車が能力者の家の前に止まった。


「ゴールドさん」


「ん? あいつは・・・」


「何か凄い巨漢ですね。相撲取りみたいだ。あれが能力者ですか?」


「ああ、あいつはSだ」


そして、Sの横に着いて行く中学生くらいの女の子がいた。


「あれは!?」


「ヤツめ、能力使って拉致ってきやがったか」


そのまま家の中に入っていく。


「どうしますか?」


「Sの方は何とかなるだろう・・・問題はMだな。両方揃うとやっかいだ。Sをまずはやる」


「楓!」


「はい」


楓さんが手をかざし、風魔法を発動する。

ドアを吹き飛ばすようだ。


「風よ!」


何か女優さんのような素晴らしい見た目でスッと立ち手をかざしているだけでも非常に絵になる。

見とれてしまう。

オムツ着けているけど。


そして、魔法が発動し


ガガガガガッ!ドガァッアン!


と盛大な音を立てて、ドアがカマイタチのように切り刻まれ、最後には風圧で吹き飛んだ。


「よし!行くぞ!」


私とゴールドさんで家の中に駆け込んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る