第34話 ある能力者2


フェティシズムは理解されるものと理解されずらい物がある。

私の場合は比較的理解されやすいのではないか・・・。


ウェット&メッシーはご存知だろうか。


対象の濡れた状態や汚す行為を言う。

私はその中でも服を着たまま濡れたり、汚れたりする様に非常に興奮を覚える。


ビデオでも専門の物があるが、やはり理想はリアルで見る事だ。


私がこれに目覚めたのも、学生時代の登校中に急に雨が降り濡れまくる通勤中、通学中の女性を見てからだ。


特に夏は良い。

スケブラに体の線が良く分り、それと服の織り成すコラボレーション!

この全てが合わさった感が最高にいい。


そして、冬は冬で濡れて重苦しい雰囲気に趣きを感じる。


さらにどちらも言える事だが、濡れた髪も素晴らしい。

しっとりとした感じと濡れて儚さの現れる女性。

芸術的だと思わないか?


そして、汚れる様もいい。


これは私の人生の中でもリアルなのは1回だけだ。


雨の日に歩いていた学生が車の水はねで、真っ白なカッターシャツが泥汚れになった。

泣きそうな顔で、そのまま家に引き返していたが、思わず途中まで着いて行ってしまった。


あの一瞬での変化・・・あれは衝撃的だった。


そして、何故か興奮した。

元々、ウェットにしか興味は無かった。

メッシーと言うものがあるのは知っていたが、これを見て「なるほど」と思った。

綺麗な様から穢れるのもいい・・・。

趣味が広がった気がした。


さて、それはともかく。

そんな趣向を持つ私の元へ妙なメールのようなものが届いた。


******


件名:おめでとう


本文:キミに能力を与えよう。

キミは・・・何だろう濡れたり汚れたりした女性が好きなのか?

良く分らないが・・・。

その気持ちが本物なのを見込んで以下の能力を与えよう。


キミが念じれば水も泥水も出すことが出来る。


さあ、これでキミの欲望を満たすといい。


ああ、先に行っておくけど副作用とか一切無いからね。

じゃあ、このメールは自動的に破棄させて貰うよ。


******


最初は目の錯覚かと思った。

ウェット画像や動画を見すぎて頭が可笑しくなってきたのかと。


だが、何となくそうなると面白いなと思って水よ出ろと念じてみた。


そしたら、何と空中に水の塊が現れた。


そして、バシャン!!!と落ちた。


部屋は水浸しになってしまった。


唖然とした。


なんだこれは?

魔法?


だが、とりあえず今は部屋の掃除をしないといけない。



翌日、外に出て試してみた。


水!


バシャン!!


泥水!!


バシャン!!


どちらも出た。

結構な量だが念じて思いの場所で空中に発生し、そのまま重力に従って落下する。

ただそれだけの魔法だった。


あのメールには書いてあった。


欲望を満たせと。


確かにこの魔法があれば気が付かれずに女性に水を掛けることが出来るだろう。

大丈夫なんだろうか・・・。


いや、バレなければ大丈夫。。。


そして、気が付いたら私は人通りの多い場所に来ていた。


丁度、シースルー気味の服を来たエロそうなお姉さんが歩いていた。

あの子で試してみるか・・・。


水よ・・・


そう念じた瞬間、女性の頭上に水の塊が現れた。

あとは・・・


バシャン!!!


「きゃあああぁぁぁぁ!!」


水が落ちて体と地面に叩きつける音と女性の悲鳴が響いていた。


その光景を呆然と見つめる私。

だが、これまでに感じたことが無いくらい興奮していた。


あの無防備な状態からの水被り!!


そして、ぐちょぐちょぐちゃぐちゃに濡れる女!!


さらに、体にまとわり吸い付く服・・・。


それが私の出した水で出来た結果!!!


これが興奮せずにいられるかっ!!




私は歩き出した。




視界に移る女性に次々に水の塊を発生させていった。




ふはははは!!! これは正に私にとっての天国だ!!



凄い凄いぞ!! この魔法は!!

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