第23話 「二人の少女②」
(どうしよう……)
ダメじゃない。そう言おうと思っても、頭のどこかで考えてしまう。
伸ばされた手を取った瞬間に、それが
(そもそも、何で私にそんなことを?)
そうでなくとも、クラスの女子から嫌われ気味な自分と仲良くすることで、その被害は秋子にまで及ぶかもしれない。
それを踏まえて、少女がそんな提案をする意味が理解できなかった。
秋子としては、ただ友達になりたいと思ったから言葉にしただけで、それ以外の理由はなかった。
反対に千鶴としては、
「私と――」
だけど、友達という
来世と会話をしてからは、周囲の声を気にすることはなくなったが、友達が欲しいと思わなかった訳じゃない。
理不尽な小言などは、どうでも良くなってしまったにすぎない。
それでも、友達という存在がいてくれたらと、想像してしまうこともあった。
――その行動力があれば、自分が望む結果を引き出す努力ができると思うよ。
最後に思い浮かんだのは、少年から
自分の望む結果はなんだろうか。
少女にとっては『友達が欲しい』ことが望みかもしれない。
「こんな私で良ければ、と、友達になってくださいっ」
「喜んで! 何でも相談してね」
「うんっ」
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