竜や竜騎士という強力無比な存在は、決して目新しいものでは無いが、多くの読者を惹き付けて止まない魅力を持つと言える。
本作でも、竜騎士と悪竜や竜たちの空中戦は圧巻の迫力で描かれている。正に王道ファンタジーの表の部分、陽の部分と言えるものだ。
だが、本作においては、どちらかと言うと「パッとしない」主人公を題材としながら、舞台装置といえる背景世界観を通じて、別の主題を描き出そうとする作者の意図を感じずにはいられない。
いささか、私の考え過ぎかもしれないが、未だ物語は終わっておらず、従て今後の展開も、読み手の想像も無限に広がっている状態だ。
若干のヤキモキは連載中の物語を追っている者の特権である。未だ本作をお読みで無い方は、是非、その感覚を味わっていただきたい。
竜騎士の学校を舞台とし、立場や身分による差別、騎士としての在り方、竜との共存など、ファンタジーらしい描写や世界観がふんだんに盛り込まれています。
騎士や貴族、王国というキーワードが頻出するため、どこか中世ヨーロッパの世界観を想起しつつ、そこに竜騎士というファンタジー要素が加わることで、リアルと空想の融合により特徴的ながら分かりやすい世界観構築がされているという印象です。
そして注目すべきはストーリー展開!まさに王道!
主人公達が抱く葛藤や決意は感情移入しやすく、夢中になって読み進めてしまいます。戦闘シーンも描写がしっかりとしていて手に汗握ってしまいました。
情景や人物の動きの描写は分かりやすく描かれているのでとても読みやすく、スクロールする手が止まりません。
今後もどの様なストーリーが展開されていくのか、楽しみです。