81話文明開化? オーガの城攻略!
「先生ありがとうございました」
「ありがとうでござる」
VR塾の有名講師である柳田陸男先生の授業は連日続いて晃達の学力は確実に向上していった。
「さあ、狩りに行くでござるか?」
「オーガの城に攻め入りますわよ」
「じゃあ、ワープするから捕まって!」
中庭に集合したみんなが晃につかまろうとすると、ルークとアリシア、エリザベスが納屋から何か引っ張りだしている。
全員が乗れそうな大きな木の箱と、それに繋がれた紐とさらに大きな布。
「ちょ! それはなんなの?」
「ふふふ! 1週間を費やし俺達で作った新兵器さ!」
「さあみんな乗るのじゃ!」
「……?」晃達が不思議そうに見守る中……ルークとアリシアが火魔法で布を膨らませている。
「それはまさかの熱気球?」
円状に空間に広がる布、それは大型の熱気球だった。
「物理の授業で学んだことを実践してみた、はははは! ワープもいいがたまには空から行くのもいいもんだぞ、そら乗った乗った!」
恐る恐る木の箱に乗る晃、沙羅、葵、桜に対しエリザベスとコタローは経験済みのようで楽しそうに飛び乗る……そして……気球は空高く浮き始めた。
湖畔の屋敷の中庭から飛び立つ大型熱気球。
大きな湖が下方に見渡す事が出来る。
「ちょ! なんて綺麗な風景なの?」
「すごいですわ!」
「ワン!」
景色を見ようとコタローが晃の肩に飛び乗って来た。
その時、ルーク、アリシア、エリザベスに向けて「空を制したエルフと聖女の称号が与えられました」のアナウンスが流れた。
「シヴィライゼーションハザードはほどほどにしとけよルーク、あまりこのゲームの世界観を台無しにするようだと運営にBANされるかもよ」
「わかってるって、ロケットは当然として飛行機や車を作るのはやめとくよ! はははは!」
「3人だけでそんなもん作ろうとしたら、それだけで一生が終わるでござるよ!」
「はははは!」
「おほほほほ!」
「きゃはは!」
「ワン!」
そしてルークは火魔法で上昇を保ち、アリシアが風魔法を操り推進しながら見えて来たのはオーガの城……門前にいる見張りのゴブリン達が巨大な気球を見て大慌てで混乱している。
そんなゴブリン達10匹の中にジャンプして飛び込み刀で斬り込み……あっという間に制圧する桜!
「桜、強くなったな!」ルークが声をかける。
「晃お師匠の教えのおかげでござる、ゴブリン程度相手では手応えが無いでござるよ!」
「えへん!」
胸を張る晃。
「ちょ! 晃君が調子に乗ってるわ! 一階のゴブリンエリアは私と葵ちゃんでやるわ、負けてられないわよ!」
「もちろんですわ、みなさま手出し無用でございますわ!」
沙羅が魔槍ロンギヌス、葵が聖剣エクスカリバーを振り回しながら、門の中に突っ込んでいくと
何百ものゴブリンが所狭しと湧き出してくる、それらをバッタバッタと倒して行く沙羅と葵!
魔槍ロンギヌスをグルグル振り回しながら次から次へと倒す沙羅の姿はまるで無双系のゲームを見ているようだ。
そして一階のエリアの掃討は終わり、広い広間の奥に階段が現れた。
「快感!」
「快感ですわ!」
戦いの後の余韻にふけっている沙羅と葵を置いてさっさと階段を上る晃達。
「ちょ! 待ちなさいよ!」
「しかとされましたわ!」
「ははは!」
2階には弓矢を持ったゴブリンアーチャーやスピードウルフに乗ったゴブリンライダーの軍団だ!
「お! スピードウルフはコタローの成体だよな! 俺達がエルフ達を雇って経営しようとしているテイムモンスター屋のモンスターとして丁度良いな、スピードウルフは生け捕りにしようぜ!」
ルークが叫ぶ。
「了解!」
「わかりましてよ!」
弓矢に対して「ウインドウォール!」アリシアが、風魔法のバリアを張り、桜とルーク、晃は弓矢を構え、ゴブリンライダーのゴブリンのみを撃ち落として行く。
制圧が終わった頃にはスピードウルフが12匹は残っていた。さすがにゴブリンに飼いならされていただけあって主人を失った瞬間に従順になってコタローと戯れている。そんなスピードウルフ達をワープで次々とエルフの村に運んでから、オーガの城攻略を再開する晃達であった。
9階のオーガリーダー3体を退治した晃達……そして10階に現れたのはオーガグレイト!
かつてエルフの里を守れのイベントクエストのエリアボスでランキング1位のユリウスさんなどの上位パーティ数組とレイドを組んで晃が捨身でなんとか勝てた程の強敵だ。単独パーティで果たして勝てるのだろうか?
時間にして10分程だった……沙羅の精霊召喚フェニックスの火炎攻撃、葵の精霊シヴァの猛吹雪、桜の精霊ゴーレムのまるでバズーカ砲の岩投げ攻撃で弱体化させてから、エリザベスに支援魔法で攻撃力を強化されたアリシア、ルーク、晃がそれぞれの武器の必殺スキルである神剣白狐のスパークリングショット、魔剣グラムのダークカッターを炸裂させ……最後は晃の妖刀イザナギ改の20連撃が決まりオーガグレイトを光るポリゴンへと変えたのである。
「僕達……本当に強くなったな!」
感慨にふけりながらみんなとグータッチして行く晃でありました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます