75話激闘! 晃の閃き!


 メフィストフェレスの怒涛の攻撃が始まった。


 魔槍を巧みに操り高速移動しながらルーク、アリシア、晃達に次々と攻撃を仕掛けてくる。


 かろうじて受太刀をする晃達に離れぎわに火属性の魔法攻撃を放たれる。


「ウォール!」ルークの放った土魔法の防御魔法が奴の放った火属性の魔法を防御する。さすがは精霊魔法の使い手エルフだ上級魔族に魔法で負けてはいない。


「ルーク助かったよ! 各個の攻撃では歯が立たない! 相手の攻撃パターンを見極めながらコンビネーション攻撃を仕掛けるよ」


「わかったぜ!」

「了解じゃ!」


 そしてしばらくは奴の魔槍による連続突きをアリシアと晃で受太刀に徹する。響き渡る金属音が大音量でこだまする。そして離れぎわの魔法攻撃はルークが次々に防御する。


「こしゃくな! たかだかエルフと人間風情の分際で! 闇の眷属達に命ずる……ダークフレアボム!」


「その魔法は知っている!」

 瞬時に晃達は風魔法をまとい、後方に移動して足元の大爆発を回避! 爆発よりメフィストフェレスと晃達の間に煙が上がっている。


「チャンスだ! ジェットストリームアタック行くよ!」


「お! あの名作ロボットアニメの攻撃だな!」

「まかせるのじゃ!」

 さすがはアニメオタクのエルフ兄妹……理解が早い!


 そして風魔法をまとったままスケートを滑るように爆煙の中から現れメフィストフェレスに真っ直ぐ突っ込んで行くアリシア、ルーク、晃!



 まずはアリシアの怒涛の突きがメフィストフェレスを襲う! 奴は魔槍で次々と受ける、そこにジャンプしたルークが魔剣グラムで斬りつける。


 それをもかろうじてかわすメフィストフェレス! さらにルークの陰から大ジャンプした晃が妖刀イザナギ改で斬りつけた。これにはさしものメフィストフェレスも防御が間に合わず、左腕に見事に斬りが入った!


 晃渾身の斬りつけだったが、奴の左腕切断には至らない……ダメージがさほどでもなさそうだ!


「はははは! その程度の攻撃、俺には効かないな!」


「なんだと!」

 悔しがる晃の脳裏には、ファンタジー小説に登場する魔王を倒すには魔法攻撃か聖剣による攻撃が必要な事がよぎった。


 聖剣を持っているのは龍ヶ崎葵だが、彼女はスキルポイントの大部分を防御スキルに割り振っているため攻撃力不足で、例え聖剣エクスカリバーの攻撃でも、メフィストフェレスに傷をつける事は出来ないだろう!


 このハンティングワールドオンラインでは他人の武器を借り受ける事は出来ない……そんな事出来たらガチャを誰も回さなくなるからであろうが……そもそも忍者、暗殺者(アサシン)、盗賊の職業スキルしか持っていない晃は聖剣を装備する事が出来ない!


 晃は必死に考えを巡らせていた……聖剣は装備できない……しかしなんとか聖剣攻撃を奴に仕掛けたい……ん、待てよ……物理攻撃カウンターの謎?



 何かの閃きが頭の中で生じようとしていた晃であった!



 


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