68話反撃開始!



 クランノストラの三天王の猛攻の前に苦戦する晃、ルーク、アリシアであった。


 特に晃は暗黒のキルドレックスの前に得意分野のスピードでも互角に持ち込まれ、さらにパワーでかなり圧倒され始めていたがエリザベスの体力向上付与(パワーエンチャント)魔法により、当たり負けしなくなった彼はなんとか反撃の機会を模索しようとしていた。


 目の前に居るのは一流の剣士……だがしかし、忍者剣法や侍剣術に対しての知識はないはず……。


 暗黒のキルドレックスの剣は黒光りする魔剣系のようである、激しく叩きつける剣撃に対抗して妖刀イザナギで鋭い受太刀を繰り出す晃!


「ほほう! 我が魔剣カラドボルグを受けても刃こぼれしないとはな、お主の剣も大したものだな、倒し甲斐があるぜ!」


 暗黒のキルドレックスの剣技は、以前戦った黒のシェパードが刺突中心の戦い方だったのに対し、身長の大きさを生かした王道的な剣技である。ある意味剣術においても格闘技同様に体格差は多少の有利さを意味する。身長平均が155センチ位の江戸時代に生きた身長180センチと言われる武蔵が無双だったのもうなずける。


 だが技が決まれば身体の大きさは関係ない!

 剣技スキルをマックスに駆使して戦うんだ、負ければ大切な仲間であるルーク、アリシア、エリザベス、コタローを失うかも知れない。それに晃は怒っていた、自分が手に入れた湖畔の屋敷での幸せな空間に土足で踏み込んで来た、クランノストラの三人に対して……。


 距離を一旦おき一刀一足の距離から大きな踏み込みと共に上段の面を放つ、響き渡る金属音!


 惜しくも受太刀されたが、「ほほう小僧、今の踏み込みは鋭かったぜ、どうやら覚悟を決めた様だな!」

 不意打ちでは勝てないことは理解した、全てをぶつけてやる。


 明鏡止水スキルをマックスにして集中力をたかめる、そして相手の斬撃に小手を決める……。

「なんだと!」

 かすった程度であるが明らかに表情が変化した暗黒のキルドレックス。


 一方、白のアルカインと対峙しているルーク、

丸い純白の盾を左手に持ち、ルークの魔剣グラムの攻撃を巧みに防ぎながら、右手に持つ純白の片手剣でカウンターを当ててくるのをなんとかギリギリでかわす。しかし劣勢であるのは明らかである。

「きさま体術は大したもんだが、剣術はそれほどでもないな! 俺の聖剣デュランダルでさっさと終わらしてやる!」

 

 余裕の表情を浮かべた白のアルカインの猛攻が始まった。なんとかギリギリの受太刀を行うルーク、「調子に乗るなよ! 土の精霊よ……」


 白のアルカインの足元の地面が崩れる! 

とっさに後方ジャンプで回避する白のアルカイン、「フレア!」彼の回避先に爆発が起こる、盾から魔法防御効果が起こり致命傷は避けたようだが10メートルは吹き飛ばされた白のアルカイン……先程までの余裕の表情は消えた。


「なるほど、エルフは精霊魔法の使い手が多いのだったな! 本気でかかるか!」



 黒のシェパードの鋭く早い刺突武器からの突きに対して、アリシアはだんだんと踊る様な受けを繰り出し始めた、アリシアの剣技である剣撃乱舞だ!


 次第に押され始める黒のシェパード……「調子に乗らないのですわ! ライトニングサンダーボルト!」


 黒のシェパードの左手から稲妻魔法がアリシアめがけ襲いかかる。


「ウォール!」土の壁がアリシアをがっちり守る、「エルフの私に対して魔法攻撃が効くわけないのじゃ! ロックガトリング!」機関砲の様な砲弾が黒のシェパードを襲う。


 なんとかスピードを駆使して左に飛んでよけた黒のシェパード……「クソ忌々しい攻撃ですわね!」怒りの表情を浮かべる。



 さあ反撃の開始だ!



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