ヤクザが経営する風俗に行った

 風俗と聞くとヤクザが経営しているイメージが強いが案外そうでも無い。


 勿論別に風俗経営者とかでは無いし、ヤクザというのもピンキリなので


 一概には言えないが、良くあるイメージの


「本番強要しようとしたら奥に連れられてヤクザにボコボコにされた」


 とかは全くない。暴力沙汰が起きたら普通に警察呼ばれるし。


 普通のお店の多く大体は出禁や警察等で対応する。


 故に受付で入れ墨のオッサンが座っているとか、そういうのは無い。


 基本的にちゃんとお金を払って、規約違反しなければ


 風俗は恐ろしい所ではない。全くない。風俗で怖かった事ない。

 

 

 ただまぁ例外もありまして。


 治安が悪い事で有名な我が地元にはヤクザが住んでいると


 もっぱら噂のマンションがあった。


 当時、俺は安い風俗を探す事に躍起になっており


「安いヘルス!! とにかく安いヘルス!!!」


 とネットで血眼になっていた。


「あった!! 70分7000円!! 店舗型!!」


 ヘルスには店舗型と出張型があり、都内は殆ど出張型だ。


 風紀向上を目指し、店舗型が一掃されたためだ。


 だが出張型のデメリットはホテル代がかかるという事だ。


 自宅に呼ぶ事も出来るが、まぁ中々できない人も多い。


 なので店舗型のがお財布にはありがたい。


「都内店舗型! しかも地元! 最高やー!」


 と、ここへ行く事に決めたが


 妙なのがお店のマップに店の場所が書いておらず


「駅前のどこどこに着いたら電話ください」


 とある。んっんー?? 怪しいなぁ……と思いつつ電話。


「もしもし?」


 なにかやたら低い男の声だった。


「すみません、お店に行きたいのですが」


「ありがとうございます。駅を背に真っすぐ進むと〇〇マンションがありまして、そこの505号室に来てください」


 そのマンションは先述したヤクザマンションだった。


(う、うぉお……何か怖い所引いた臭いな……)


 と思いつつ、まぁ面白そうだと突撃。


 505号室に入るとガラーンとしたマンションの一室。


 その何も無い居間のド真ん中にオフィステーブルに座っているハゲのおっさんが一人。


 ハゲと言うかスキンヘッド。人相はすっげー悪い。眉毛薄いし。


 スーツの上着だけ脱いでて身なりも良いんだけど、逆に何かそれが怖い。


「お電話いただいた〇〇さんですね?」


 うわニッコリもしねぇ。こっわ。


 んで適当にまぁ風俗あるあるプレイ前説明を受ける。


「じゃ、この下の405号室へどーぞ」


 えええ……マンションの一室が受付だけじゃなくプレイルームにもなってるのかよ。すげーな。


 まぁでも贅沢と言えば贅沢だ。早速向かう……前に。


 最後にネット広告にでかでかと「チェンジ無料無制限!!」と書いてあったので


「チェンジって無料で出来るんですよね?」と聞く。


 スキンヘッドのおっさんが突然額に思い切り皺を寄せて、眼鏡の上から睨むようにして言った。


「まぁ出来ますけどね?」


 すんなよ? みたいな? こ、こわい!!!


「あっはー! しないです!」と答えて部屋を出る。


 405号室に行きピンポン。


「ハーイ、ドウゾー」と片言な日本語が聞こえる。


 出て来たのは一応アジアっぽい。国を聞いてみると中国だった。


 扉を開けて中に入るとビックリ。


 簡単なカーテンパテーションで区切られただけのベッドが


 マンションの一室内に並んでいる。うっすら浮かぶ影は人間が二人重なっていて


 男女の喘ぎ声があちらこちらで聞こえる。


 これは中々ディープゾーンだなぁ……と感心しつつ、女の子に案内されて風呂へ。


 マンションの一室なので、本当に家風呂と同じだった。


 隣接しているキッチンからジュージュー何かを焼いてる音と良い匂いがして


 ちらっと覗いたら女の子が裸で料理していた。ケツ丸見え。


 プレイ自体は特別変わった事は無い。だが手コキが下手だった。すっげー下手だった。


「あ、あの手コキやめてくれる?」「???」


 めちゃめちゃ片言な中国人はイマイチ日本語が分かってなかった。


 そして俺は当時ちょっと変わった性癖があって最終的には自分の手で出したい派だった。


 何を察したのか手コキを辞めてフェラを始めたけどコレも下手だった。


 段々イライラして来た俺は「止めて止めて。俺自分でするから」と伝えるが


 中国人はやはり「???」と良く分かっていない。


 「俺自分でするから乳首だけ舐めて」と伝えると漸く「するから」だけ聞き取れたらしく


「する?? アナタする、したい??」といきなりコンドームを取り出し始める。


(あー本番有りの店だったかー)と思ったけどさっき言った通り本番興味無い。


「違う違う! 俺が! 自分でオナニーするから!」


 今度は右手でシコシコとジェスチャーしながら伝える。間抜けか。


 ようやく理解した中国人が「ぶっは」と吹き出して、笑いながら


「アナタ自分デスル?? アイヤー!!」と言った。


(中国人って本当にアイヤーって言うんだ……)


 何やらそんな事に感動しながらもめでたく自分の右手イク事が出来た。


 未だにあのマンションにはあの店がある。


 だが店の名前だけ変わっていた。おー恐ろしい。


 でもまた行ってみたいとも思う。


 




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変態紀行。大体オナニー、たまにセックス。 かえで @kaede_mlp

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