第33話 醒めない夢
33.
~深山康文と果歩の結婚生活 (30)
・・斉藤さんが辞めることにした理由・・
そして翌日私と斎藤さんは私よりの自宅周辺カフェで
落ち合った。大きな車道を前に沿って佇むひっそり感漂う
そして私たちがこれから話す内容にちょうどぴったりな
雰囲気のある店で。
斉藤さんから聞かされたのは、夫から聞いていた話とは
全く違っていた。
原因は新人の仲間友紀と夫のふたりだったのだ。
引継ぎのこともあって新人の仲間友紀と夫との3人に
なる日が当初多くあって、斉藤さんは彼女が来てから夫と
3人になるとものすごく疎外感を感じていたと言う。
なんかふたりのオーラーが不快で仕方なかったのだとか。
夫の対応がきっと斉藤さんに対するものと仲間友紀に
対するものとが違っていたのだろう。
「最初は、何なんだろう? この感じって思ってました。
奥さんの前で言いにくいですが、でも奥さんが何か思う
ところがあって私と会うことにしたのだと思いますので
隠さず事実をお話しますね。私、性格的にまどろっこしい
こと嫌いなので結論先にお話しますね。
奥さんがもしやと心配されていることは、当たってます」
「そうですか、やっぱり」
流石に結論を先に言われてしまい、聞きたい気持ちが
正直半減してしまった。
だってそうでしょ? こういうコトって、やっぱり
そうであってほしくない、嘘であってほしい、考え過ぎよ
・・って思いながら、自分の都合の良いように考えながら
どぎまぎしながら聞くもんだと思うのよね。それを・・
それを・・私の心配している通りですって言われたのだ。
はぁ~アイツまたやりやがったな・・の気持ちで結果は
クロと知りつつ、斉藤さんの次の話をじっと待つ。ツライ。
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