第35話恋心

あたしはあれ以来新堂さんに連絡をしなくなった

新堂さんから聞いた美菜って言う女の人の名前…

もしあの美菜だったら…?

そう思うと怖くなって連絡が出来なくなった

あたしは一日中部屋にいた

「…涼汰何してんだろ…」 

あたしは涼汰に電話を掛けた

*****************************************************横で美菜が寝ていた

俺は美菜の寝顔を見つめた

美菜が俺をまだ好きでいてくれて嬉しかった

俺も諦めようと思った

だけど美菜が困っていると

どうにか助けてあげたくなってしまう

俺も完全に美菜の事忘れられていなかった…

だけどこれは開いてはいけなかった禁断の扉

その扉を美菜は開けた

初めはびっくりしたけど俺は受け入れた

その時

♪♪♪

俺のスマホが鳴った

「…誰だ?」

画面を見ると舞由香からだった

「ゲッ…こんなタイミングに…」

俺は外に出て電話に出た

『…はい』

『涼汰…今何してるの?』

『え…今?』

(ヤベェ…何て言おう…)

『…家だよ』

俺は嘘をついてしまった

『…そうなんだ、ねえ…会いたい』

いつもと違う舞由香の声

明らかに様子が変だ

(…何だ?)

『今、ちょっと忙しいからまたこっちから連絡するから』

『…分かった』

『じゃあな』

俺は電話を切った

「どうしよう…」

俺はとりあえず部屋に戻った

「…ん涼汰君?」

「美菜…起きたか?」

「うん、どうかしたの?」

「ちょっと外の空気吸いに行ってた」

「…そうなんだ」

「出よ」

「…うん」

俺達は部屋を出た

****************************************************

あたしは涼汰からの連絡を待っていた

その時ツイッターの通知音が鳴った

開くとツイッターからメッセージが届いていた

「…新堂さん!どうして…!」

だけど内容は衝撃的な事だった

『いきなり、メッセージごめんね

君にはちゃんと挨拶をしないと思って、

…会社の辞令で異動する事になりました

今日の夜飛び立ちます

今までありがとう^_^

楽しかったです』

そう書かれていた

「…そんな…何で…?もう…会えないの?

…嫌だ!」

あたしは新堂さんにメッセージを送った

すぐに返信が来た

「16時半発!まだ16時!」

新堂さんと出会えてから数日間本当に楽しかった

メッセージでのやりとりが楽しくて楽しくて…

ツイッターからの通知音が来るたびに

新堂さんからのメッセージが来たのかどうかで

ドキドキして

来ない日はすごく落ち込んで

来る日はまた気分が一気に上がって

そんな毎日が幸せだった

だけど彼女がいるって知ってからあたしは諦めようと努力した

だけど諦められなくて

スマホを何度も見て

イライラして

落ち込んで

スマホが鳴るたびにもう身体が反応してしまっていた

もういい…

砕けても良いから

あたしの気持ちを伝えよう

それで終わりにしよう

あたしは貴重品を持ち駅まで走った

あたし達は

好きになってはいけない人を好きになった

どんなに諦めようと頑張っても

相手への”恋心”が強すぎて

もう抑えきれなくなってしまった…





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