いじげんの――

 俺は魂も肉体も冒涜した。脳味噌など最早不要の奇塊で在り、地獄からの滑稽だと思考すべき。数多の人間が国の礎と成らず、否定的でも肯定的でも悉くが『 』に融けた。残滓すらも輝きを忘れ、俺の冠も意味を無くした。素晴らしい事柄だ。素敵な結末への――結末など存在しない。冗長たる『物語』以上に道化なのだ――導き、此処に俺は色彩を齎すと決めた。視得た輩は失うものよ。ああ。如何か。冒涜王で在る俺を飾り憑け給え。神も佛も異次元に支配され、復活の時に期待する。既に語った通りの理だ。彼等の物語は永劫で為り続け、成る事など過去現在未来に亡いもの――さて。俺は国の光輝と闇黒の両者を殺すと宣言王命した。故に民は首を動かせ。頷く事も横に曲げる事も赦そう。頷く事も捻じ曲げる事も赦さぬ。矛盾! 矛も盾も無いのだが、相応しい言葉が浮かばず、俺は酷く拙い傲慢だな。兎角。此度の所業は神以外に解らず、解った神も判らない類。始めるのだ。始まるのだ。晴れやかな自殺のように物語を始めるのだ――攻撃の技術は整った。現実と幻想への侵蝕を……異次元の誘惑。異次元の輪郭。異次元の……俺は冒涜王だ。異次元も哄笑する対象だ。ならば侵蝕を声高に――と掲げよう!

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