月を書ける

 オイ! 手前だ。手前に語り始めたのだ。手前は勝手に己を最高だと思い、想いだけで詩を吐き散らすが、此処に並んだ総てが皆を飽き々々させるのだ。手前の無意味な反芻は溜息と眩暈を齎し、酷く滅された皆を残すのみ。故に手前は自身の脳味噌を解かねば成らぬ。為さねば半永久的に『月』を垂らすと理解せよ。手前に必要な種は強化だ。狂気を溢れさせた手前は既に正気だと知るが好い。皆の視線が退屈に塞がれ、嘲笑へと変貌するのに気を寄せるが好い。手前は結局、無名なのだ。ならば何を望むべきか。莫迦な! 手前自身が至高を掴むべく、思考を柔軟化させ――ああ。手前よ。悪かった。不可能だったな。手前は手前を捻じ曲げず、傾倒を重ねた宇宙的恐怖コズミックホラーを冒涜するのみ。手前の連ねた陳腐は娯楽だ。娯楽的恐怖だ。違うな。麻薬と説明すべき。筆は注射器ハスターリクで塗料は蜂蜜黄金よ。望むべき幻想が決まった。成程! 結構! 手前の精神を此処カクヨムに晒し続けるが良い! 阿呆よ――月をけよ!


 欠けた肉体。

 魂は埋まる。

 文体に宿る。


 違うな。


 不変無聊愛創造を侵した。

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