行方不明

 全人類に必要不可欠な宝物。崇拝すべき対象を想像し、創造する一連の作業だ。我等は永続的に神と――脳髄に粘着した超越性エネルギーの基と――接触し、無限の可能性を幻視する。統べられた人間の感情は内向的・外向的に絶えず移り、停滞的な世の中を『成立』させた。故に我は思考する。人間が最も好む『向き』は何方なのか。魔術的or神秘的な方向内と外性を定め、悦楽に浸れるのは何方か。先ず。内向を脳髄で巡らせる。此方は精神的な潜行=瞑想などを示す事柄で在る。普遍的無意識ソウルが此れに該当する筈だ。感情の奥底で人間は繋がって在り、本質的な『内向』だと理解可能――次に。外向を脳髄で巡らせる。此方は物語性。神話創造する事で成り立つ『もの』だ。悪魔との契約や神との接触が該当する。我等の抱擁すべき存在崇拝とは。最も人類を幸福に導く神は……ああ。忘れ物が在った。本当に大切なだった。混在させた物語を解かねば……何。確かに混在は虚構フィクションなのだろう。されど我が脳髄は轟かせるのだ。我等が貪るべき理を! 愛が成した神の群れを――素敵な解決策を閃いたぞ。我の脳髄は光に誘われた。世界を異次元ラヴクラフトで塗り潰すのだ。外も内も超越性エネルギーを吸収され、虚構リアルが生じ!


   ――莫迦め、人類は行方不明外向的だ。

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