蜿蜒

 嫌悪だけが己を満たし、視られた膨張が悪夢を誘う。彼等は隣人で在り、愛し難い命の蠢き。故に私は私を愛せず、現状の『一感情』を受け入れて『要る』のだ。要るのは負の持続する毒。即ち、遅延性を孕んだ正夢災厄だと思考すべき。結局は私の脳髄を冒し尽くし。嗤い続けるだけの――面倒だ。言葉で表現するのも苦難の極み。ああ! 忌むべきは長い彼奴キャツ等の行進。斑模様の眩暈が群れ。二個の目玉が無数にギョロ憑く。憑かれた愚物どもが――私は踏む。舞台上の道化師が如く。詐欺師じみた生命体を踏み潰す。心地良い感触だ。肉の踊る気分だ。されど毒気は治まらず、私の臓腑を蝕み。蹂躙し。ただ。ただ。崇拝する。何を信仰するのだ。彼奴キャツ等は冒涜的な存在だ。餓鬼どもめ。屠って晒す! 畜生が! 貴様。ケロケロと啼くな。永遠は何処に破棄された! ヴァルーシアの誇りは……国を成した信念を破棄したのか!


 蟇蛙ツァトゥグァに災い在れ!

 全のヘビ共に破滅在れ!

 イグを嘲った蜿蜒は何処だ!

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