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「私はしっかり助言をしたつもりなんだが」


 夢だとすぐに分かった。


「どういうことですか、先輩」


 自分の声が反響した。どうやら、俺と小林先輩は隣り合ってトンネルにいるようだ。熱気が籠っている。額から汗が流れ落ちた。暑い。ちゃっかり半そでになっている。清々しいほどの青空に入道雲、典型的な夏空だ。


「どうもこうもない」

 頭が痛くなってきた。「なぞなぞは苦手なんですが」

「少しは考えろ」


 小林先輩はため息をついた。この人、俺の肩ほどの身長だったっけ。いつも机に座っているから気づかなかった。


「俺は頭が悪いから分かりません」


 この学院はテストの結果が張り出されることは無い。それが幸いだった。授業に出ていないことを差し引いても、俺は頭が悪かった。一応、この人もそれを知っている。


「悪かった。私が悪かった」


 拗ねた子供のように唇を尖らせた俺に、先輩はため息をついた。


「仕方がない。ヒントを飛ばして答えを言おう」

「お願いします」

「私を殺したのは用務員じゃない」


 体に電流が走ったように動けなくなった。喉が渇くのはこの気温のせいではない。立ち止まった俺に対して先輩は先を歩く。しばらくして立ち止まった彼女はこちらに手を振った。そこで、我に返る。


「誰なんです!? 一体、先輩を殺したのは」

「お前の言う先輩に相談してみろ」


 じゃあな、そうつっけんどんに言うと小林先輩は走り出した。靴音がトンネルに響く中、俺は呆然とその場に立ち尽くした。

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