頬杖


頬杖ほおづえばかりついてたら

 こぶしの痕がとれないよ」


 そうきみは言うけれど

 ぼくの頬杖のわけが

 なぜだか分からないかな


 拳のままではつらいから

 てのひらにかえてみるけれど


 またいつのまにか拳を握るのは

 なぜだか分からないかな


 片手から両手になったり

 顔が重すぎるかのように

 こうべを垂れたり


  わざとじゃない

  あとではっと気がつくんだ

  きみがきっとそうするように


 いずれきみが頬杖をつくとき

 ぼくはそのわけをきこうと思わない


 きみの頬に痕がついてもいい

 ぼくの頬杖のわけがきみにも分かる


 そのとき

 きみはなんて言うだろうか


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