#283 なんであんなことをしたんですか?
俺は茫然自失としながら、レフィに自室へと連れて行かれていた。彼女はずっと無言だった。なんだか、眼差しが痛い気がする。
部屋は一人で暮らすには丁度いいくらいの大きさだった。台所もあるし、トイレやシャワーなどは一式完備されているようだ。俺は居間に座り込んだまま、ただ壁を見つめていた。
レフィはそんな俺を立って見下ろしていたが、しばらくしてから隣に座ってきた。
"
答えられなかった。現状がまだ飲み込めていないからだ。レフィはそんな俺を見ながら、ため息をついた。
"
"......
"
まだ、俺は黙っていた。答えられなかった。シャリヤと俺がどのような関係だったのか。そんなことをレフィに言ってもしょうがない。なぜなら、この世界はシャリヤが俺と会うことのない世界として作られているからだ。何か勘違いしているとしか思われないだろう。
レフィは怪訝そうな顔を更にこちらに近づけてきた。
"
"
"
彼女はこちらの頬を人差し指で突きながら、何やら言ってくるがそれが俺には全く分からなかった。多分"
"
"
まだ記憶に新しいシャリヤの説明が思い出された。確か、"virlarteust"は"
彼女は心配そうな顔で続ける。
"
"......
"
重かった空気を切り替えるかのような軽い口調がレフィに戻ってきていた。いかんせん、"
"
"
"
"surul"の意味を聞いたつもりだったが、レフィは自分で勝手に考えて、勝手に納得してくれているようだった。どう言えば良いのか悩んでいたが、まだ真実は言わなくても良さそうだ。目の前の彼女はコクコクと頷いていた。
"surul"は恐らく「作戦、方法」を意味する単語だろう。"
レフィは好奇心を顔に湛えていた。興奮して顔が少し赤らんでいた。
"
"
"
レフィは意気揚々と言った様子で立ち上がって、握った手を嬉々として見つめていた。これから起こることにまるで強い希望でも抱いているかのような様子だ。
しかし、それにしても「ユフィアの死」とはどういうことなのだろう。慣用句だったとしても本人に会ったことのある自分にとっては複雑な心境だ。
"
"
"
レフィは首を傾げる。質問の意図を計りかねているのだろう。まあ、慣用句の意味はそんなに重要なことではない。
ともかく今はレフィと共に学園生活を生き抜きながら、シャリヤ以外の人間がこの世界に送られていないかを探すのが第一だ。特にインリニアの所在が分からないのは心配過ぎる。
そんなことを考えながら、俺はこの先の生活がどうなるのか全く見当が付けられないでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます